50代スカスカ骨密度「ちょっとしたことで骨折」あなたの骨は大丈夫?
「ちょっとしたことで骨折」は連鎖する! 更年期以降は「1回目の骨折」を防ぐことが大事
地方自治体の健康診断には、骨密度を測る検査がないこともあり、知らず知らずのうちに進行してしまいがちな骨のスカスカ。 「困ったことに、1回『ちょっとしたことで骨折』をしてしまうと、2回目も起こりやすくなります。骨折したことでさまざまなシグナル(サイトカイン)が出てしまい、骨を壊す『骨吸収』のマーカーが上がってしまうのです。 「ちょっとしたことで骨折」のなかには、「いつのまにか骨折」とも呼ばれる自覚症状があまりない骨折も。 「圧迫骨折といって、腰椎に起こりやすい骨粗しょう症の典型的な骨折です。腰椎の骨の芯の部分、海綿骨がスカスカになり、尻もちくらいの衝撃で上下にぐしゃっとつぶれてしまう骨折です。痛みをともなっても、腰痛やぎっくり腰と勘違いしてしまうことも。外科的治療ができず、コルセットで支え、骨粗しょう症治療薬での治療となります。 この圧迫骨折も、腰椎の1か所を骨折すると、複数の箇所に拡大してしまいがち。最近背が縮んだなと思ったら、疑ってみる必要があります。 大事なのは、何も起こっていないうちに自分の骨密度を知り、しかるべき予防をすること。『1回目の骨折』を防ぐことがとても大事なのです。
【善方裕美先生】 よしかた産婦人科院長。横浜市立大学産婦人科客員准教授。医学博士。日本産婦人科学会専門医、女性ヘルスケア専門医、日本骨粗鬆症学会認定医、マンモグラフィ読影認定医。約30年にわたって多くの悩める更年期女性と向き合い、更年期障害についてカウンセリング、HRT(ホルモン補充療法)、漢方薬、食事、運動、代替医療など多方面のアプローチで治療をおこなう。著書に『女医が教える閉経の教科書』(秀和システム)、『だって更年期なんだも~ん治療編』(主婦の友社)ほか。 【小田ユイコ】 美容ジャーナリスト。出版社に勤務後、独立。『eclat』『MAQUIA』『LEE』『BAILA』などの女性誌や、WEB媒体で美容記事を執筆。「美しさは健康から」をモットーに、女性のカラダに関する取材を長年にわたり行う。1965年生まれ。 公式サイト