なぜJALはパイロットの飲酒問題を繰り返すのか
鳥取社長、赤坂会長の責任は重い。だが経営責任については広報部長が「経営トップからは、関連役員の処分も速やかに検討すると聞いている」と答えるのみだった。 ■変われない「事なかれ主義」 現場を知るあるJALのOBは、「安全対策は本質的な理解と共感がなければ浸透しない。管理強化の締め付けだけでは、上司の顔色をうかがう『事なかれ主義』に陥る」と指摘する。 赤坂氏はかつて飲酒問題の背景に「不都合なものに目をそらす事なかれ主義の横行があった」と自ら指摘し、「われわれは変わっていく」と明言した。しかし、5年が経ち、今回の業務改善勧告で求められたのはまたしても「社内意識改革」だった。
JALの経営の根深いところで機能不全が起きていると言わざるを得ない。その要因は何か。社外取締役を含むJAL経営陣には根本的な自己検証が求められている。
森 創一郎 :東洋経済 記者