【話題の主役はBEV】ディーゼルとAMGに新型メルセデス・ベンツGクラスの本質を見た!
定番グレードのディーゼルとAMGも電動化
現在、メディアで話題とされることの多い新型メルセデス・ベンツGクラスといえば、4モーターで駆動するBEVであり、Gターンという飛び道具を持つG580 with EQテクノロジーのほうだが、定番グレードであるディーゼルのG450dとAMGのG63もマイナーチェンジを果たしている。 【写真】メルセデス・ベンツGクラスの本流? 内燃機関エンジンのディーゼル(G450d)とAMG(G63) (51枚) 今回のマイチェンにおいて、メカニズムで最も大きな変更点はISGシステムが搭載されたことによる電動化だ。今やメルセデス・ベンツの多くのモデルに搭載されているISGは、端的に言えば48Vのマイルドハイブリッドシステム。BEVだけでなく、内燃機関がメインとなるディーゼルとAMGでも電動化したことは、Gクラスの歴史の中でも大きなトピックだ。 各種装備も一気に現代的になった。音声認識を備えた車載インフォテインメントシステムのMBUXを始め、スマートフォンのワイヤレス充電、リモコン操作がいらないキーレスゴーなどが初採用。正直、他のモデルでは当たり前となっている装備ばかりだが、このタイミングでようやく採用になったあたり、Gクラスが耐久性や信頼性を第一に考えたヘビーデューティなモデルであることを改めて認識させられる。
オフロードでの扱いやすさを感じるG450d
まずはGクラスの本流と言える、ディーゼルエンジンを搭載したG450dにオフロードで試乗した。G450dは3.0Lの直6ターボエンジンを搭載し、オフロードに合わせて専用チューニングした9速ATを組み合わせる。最高出力367ps、最大トルク750Nmというスペックだが、3.0Lでこの最大トルクを発生させるのは驚くばかりだ。 同日試乗したG580ではBEV特有のどこからでもトルクフルな特性が有利に働いていると感じたが、G450dも低速からのトルクは十二分。筆者のようなオフロード経験の少ないドライバーでも、急斜面を楽々クリアできる。 これはパワーユニットそのものがトルクフルであるのはもちろん、トランスミッションが優秀なのも大きな理由。タコメーターを見ればオフロードに合った駆動特性になっているのがわかり、欲しいトルクがすぐに出てくれる印象だ。トルクバントも広く、慣れないオフロードでのアクセルワークも難しいと感じさせない。 徐々にスロットルを開けていき、通常ならディーゼルエンジンが唸るようなシチュエーションでも高い静粛性を維持し、振動も少ない。今やフラッグシップサルーンのSクラスにも直6ディーゼルが採用されているから、この静粛性とシームレスさは当然かもしれないが、『ディーゼルのクロカンモデル』と考えるとちょっと驚き。パワートレインに求められる特性が特殊なオフロードだからこそ、現代のメルセデス・ベンツが持つ洗練さが光って見えるのである。