引退を決めた菊池大介がホーム初ゴール!湘南ベルマーレの“No.10”へ、伊久間洋輔監督が送る最高の褒め言葉「今からでも引退を撤回してほしい」|フットサル
【Fリーグ】湘南ベルマーレ 6-3 ヴォスクオーレ仙台(1月5日/小田原アリーナ) 【画像】湘南ベルマーレの日本代表GKがベスト5に選出! 1月5日、小田原アリーナにてFリーグ2024-2025 ディビジョン1の第20節が行われ、湘南ベルマーレとヴォスクオーレ仙台が対戦。湘南はホーム最終戦を6-3で制した。 試合を終え、伊久間洋輔監督と高橋広大が、記者会見に出席した。
大介は少ない時間でも結果を残せる選手
●伊久間洋輔監督|湘南ベルマーレ ──試合を振り返って。 ホーム最終戦ということで、たくさんのお客さんが応援に駆けつけてくださり、とても力になりました。 前回の試合と同様に立ち上がりの意識を強調して臨みましたが、序盤はすごく良く、先に1点を取ることができました。その後の失点で追いつかれた場面はディフェンスが甘くなったところがありましたが、合計4点を第1ピリオドのうちに決めることができたのは、大きかったです。そこから計盛が退場した局面も選手はしっかりと守り切ってくれて、その後も追加点を奪うことができました。 ただ、不運なオウンゴールがあったものの、第2ピリオドの入りについては課題ですし、どう改善していくかが重要です。 大介が引退するということで、試合前に前回も勝利への熱量を体現して、大介が最後に泣いて挨拶をするというプランを立てて全員に共有していましたが、本当に泣いてくれましたね(笑)。結果のみ、良かったと捉えています。 上位リーグに行くにはもっと実力を上げないといけないので、次の試合も全力で戦いたいです。 ──1ー1に追いつかれて、今日一番ヒリヒリした時間に菊池大介選手を投入しました。タイミングについてはどのように判断して送り出したのでしょうか? 仙台に対して大介のスピードを生かしたサイドの突破が効くと思っていたので、特に同点だからということはなく、プラン通りの判断です。 アウェイのシュライカー大阪戦でもゴールを決めたように、少ない時間でも結果を残せる選手だと思っているので、彼が点を取ったというのは僕の采配によってのものではなく、彼の力だと思います。 ──2年間「Fリーガーの菊池大介」を指導して、彼はどんな選手だったと感じていますか? Jリーグで10年以上もプレーしてきた選手ですから飲み込みも早く、言ったことがすぐできるところは、とても驚きました。サッカーとは全然違う競技なので、当然難しい部分もあったはずですが、「これはこうだよ」と伝えると、「なるほど」と理解してすぐに再現できる。いわゆる「フットボールIQ」 というものが非常に高いからこそ、順応できたんだろうな、と。 30歳を超えてから競技フットサルに転向して、Fリーグで得点を奪うのは簡単なことではないと思いますが、 2年目でこれだけやれている。3年目まで続ければもっとゴールも増やせるし活躍もできたはずです。なので、彼には「引退を撤回しろ」と何度か引き止めましたが、ここまで大きなセレモニーやると……ちょっと難しそうですね。素晴らしい選手なので、新しい道でも頑張ってほしいです。 ──チームには、どんな影響を与えていましたか。 フットサルではなくても、Jリーグでの経験は豊富なので、勝たなきゃいけない試合での「やられちゃダメだ」というところのポイントを抑えている。試合中には相手との小競り合いとか、見えにくいところでの小さな勝負があるんですが、そこでまず負けない、「ここだぞ」というところを短い時間でも体現してくれるし、みんなに共有してくれました。 今シーズンの開幕戦、中断明けの初戦、年末年始と節目の戦いで勝っているのは、彼がもたらしてくれたものも、少なからず影響しているのではないかなと感じています。やっぱり、引退は今からでも撤回してほしいですね(笑)。 ──「節目の試合で勝てている」ことについて、菊池選手以外のところで、どういったところが勝利につながっていると感じていますか? 感情をコントロールするところですかね。 「負けたらやばい」という感情や、「勝たなきゃダメだ」という感情は当然ありますが、そこに左右されすぎるとやるべきことがおろそかになってしまいます。だから、まずは感情的になる前に、やるべきことをやる。 この試合も「10分間は無失点で、ピヴォに入ったら絶対にやらせるな」という話をしました。勝つために当たり前のことを言っているだけですが、感情を昂らせるだけではなく、行動しようと常に伝えています。 今日も4ー3で、追いつかれてしまうだろうなと見ている人は思ったかもしれませんが、その状況でも練習した通りにやれるかどうか。たとえ同点に追いつかれても、1点リードされても、「やるべきことをやる」というところができれば勝つのは必然だと考えているので、「感情にブレない」というところが、一番の要因かなと思います。