今日安田記念…アーモンドアイは皇帝の「呪い」を解き史上最多G18冠の偉業を果たせるのか?
新型コロナ禍のため、当初予定していたドバイ遠征が現地入りしながら中止となるハプニングに見舞われた。レース展開の不安も指摘されていたが、終わってみれば衝撃的な圧勝劇だった。最後の直線はほとんど持ったまま抜け出し、レコードに0秒1差。2着に4馬身差をつけた。ルメール騎手もご機嫌だった。 「この馬は特別です。きょうはムチもいらなかったほど。これからもG1を勝てる馬だと思います。安田記念に向け、いい練習になった」 レース2日後には厩舎周りを運動。11日後には美浦トレーニングセンターのウッドコースで5ハロン73秒1の初時計と順調にメニューを消化し、その3日後にも5ハロン70秒6、ラスト1ハロン12秒9をマークしている。 ルメール騎手がまたがった6月3日の追い切りも文句なし。ウッドコースで併せ、5ハロン66秒5。国枝調教師は、「初めての中2週になるが、疲れも反動のかけらも見当たらない。メンタル面でもうひとつ成長した印象。全く懸念材料はない。数々の名馬が7まで来ている。ぜひ、その先の記録に到達したい」と意気込んでいる。 さてライバルの筆頭は連覇を狙うインディチャンプだろう。昨年は、アーモンドアイの猛追をかわして勝利している。ペースが高速になれば、チャンスはある。だが、昨年の安田記念では、アーモンドアイにはスタート直後に致命的な不利があった。それだけにインディチャンプの福永祐一騎手も、「アーモンドアイは日本のチャンピオンホース。胸を借りる」と敬意を表している。 他には中山記念を制したダノンキングリー、桜花賞馬のグランアレグリア、穴ではヴィクトリアマイルでアーモンドアイと好勝負をして3着に入ったノームコアあたりが対抗馬だが、力の差があるのかもしれない。 怖いのは、アーモンドアイの状態が良すぎるために、極端にイレ込み、レースでも前後不覚に陥るケースだが、心身ともに成長し歓声のない無観客競馬なら、その心配も杞憂だろう。スムーズに走れば、我々はシンボリルドルフの「呪い」が解かれる歴史的瞬間の目撃者になれるのかもしれない。