今日安田記念…アーモンドアイは皇帝の「呪い」を解き史上最多G18冠の偉業を果たせるのか?
皇帝の「呪い」にかかる死角はあるのか。 これまで11戦を戦ってきたアーモンドアイは”1走入魂型”として知られる。牝馬3冠(桜花賞、オークス、秋華賞)を達成した3歳時には全力で走り切る余り、レース後、熱中症のような症状を発症し、脚元をふらつかせながら厩舎に引き上げたこともあったほどだ。 その意味で気になるのは、今回のローテーションである。5月17日のヴィクトリアマイルで圧勝したアーモンドアイは、今回初めて「中2週」のローテーションでのレースになる。過去の最短ローテーションは桜花賞からオークスまでの「中5週」だっだ。 過去10年のデータをみると、ヴィクトリアマイルから安田記念に向かった牝馬の成績は芳しくない。同じ国枝厩舎で牝馬3冠のアパパネが2年連続で挑み1着→6着、5着→16着とパフォーマンスを落とし、このレースを最後に引退。のちに両グランプリを制覇し昨年の年度代表馬になったリスグラシューも18年の春2走は2着→8着と着順を下げている。 では、実際に「中2週」での競馬は関係者にとってはどんな認識なのだろうか。ベテラン調教師が「一般論」と前置きした上で、仕上げについて話してくれた。 「条件クラスの馬はレースで力を出し切っていないから中1週、中2週で使えますが、オープン馬の場合は、レースで力を出し切るので、使うことにリスクは高まります。ただ、海外では連闘でG1とか、1200mを叩いて2000m戦に起用することもある。休み明けより、レース間隔が詰まっている方が仕上げやすいことは確かなんです」 2009年には、前年に安田記念を勝っている7冠馬のウオッカが、ヴィクトリアマイル、安田記念の「中2週」ローテーで連勝しており、ウオッカ級のマイル適性と能力の裏づけがあれば、このローテがマイナスに働くことはないということも考えられる。 今回のアーモンドアイの場合、激走型であることを承知の上でレース間隔を詰めてきたのは、陣営が反動のなさを感じ取っているからだろう。それほど前走5月17日のヴィクトリアマイルはダメージの残らない楽勝劇だった。