《秋冬に悪化も》乾燥による肌のバリア機能低下で起こる「乾燥性湿疹」、予防に欠かせない食べ物は?
乾燥による肌荒れ改善にはビタミンB群
乾燥による肌荒れ改善には、ビタミンB群を含む食材が役立ちます。ビタミンB群とは、ビタミンB1、B2、ナイアシン(B3)、パントテン酸(B5)、B6、ビオチン(B7)、葉酸(B9)、B12の8種類のビタミンの総称です。 エネルギー代謝に関わり、皮膚や粘膜の健康を保つ働きもあるため、肌のターンオーバーを整える効果が期待できます。 ビタミンB群は、肉や魚、たまご、野菜など幅広い食材に含まれています。旬の食材であれば、まつたけやしいたけなどのきのこ類、かつおやいわしなどの魚類がビタミンB群が豊富です。 ビタミンB群は互いに作用しているため、不足しているものがあると本来の働きを発揮できません。さらに、体内での消費が早いため不足しやすい栄養素です。そのため、含有量の多い食材をバランスよく食べることを意識しましょう。 なお、ビタミンB群は水に溶けやすい性質をもっています。ビタミンB群の流出を防ぐ刺身やたたき、流出した栄養素も摂ることができる汁物などにすることで、栄養を効率よく摂取できます。
乾燥による肌荒れには漢方薬も役立つ
乾燥による肌荒れを改善するには、「血流を整えて肌に必要な栄養を届ける」「余分な熱を取り去り、かゆみや炎症を抑える」などの効果がある漢方薬を選びます。 ◆おすすめの漢方薬 ・当帰飲子(とうきいんし) 「血(栄養)」を補うことで血流を整え、肌に栄養と潤いを与える漢方薬です。冷え症で肌が乾燥し、かゆみがある人に用いられます。 ・温清飲(うんせいいん) 血流を整えて肌に栄養を与えるとともに、体内にこもった余分な熱を取り去り、炎症やかゆみを抑えます。肌が乾燥して色つやが悪くのぼせやすい人に用いられます。 ◆漢方薬を始める際の注意点 漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。 ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、効果が実感できないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用するときには漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。 ◆教えてくれたのは:薬剤師・山形ゆかりさん やまがた・ゆかり。薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師を経て食養生の大切さに気付き、薬膳アドバイザーとしても活動する。牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニューを開発。そのほか、症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」()で薬剤師を務めている。