【闘病】血小板が正常値の5%以下…「特発性血小板減少性紫斑病」で気づいた健康な体の尊さ
職場で受けた健診で血液検査の数値異常を指摘され、再検査までの一週間で体にアザができるなどの異変が起こり始めたグッチさん。再検査の結果、「特発性血小板減少性紫斑病」と診断されました。航空自衛隊のヘリコプター整備士をしていたグッチさんが、病気の発覚から治療、家族と一緒にどうやって闘病期間を乗り越えたのか、詳しく話を聞きました。 ※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2023年月11取材。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
太ももに突然現れた拳より大きなアザ
編集部: 病気が判明した経緯について教えてください。 グッチさん: 最初のきっかけは、職場の定期健診でした。血液検査の結果「血小板の数値に異常があるので、再受診するように」と言われました。その時は血小板の重要性やことの大きさにまったく気がつきませんでしたが、衛生隊の人からは「最近アザができたりしました?」と聞かれたんです。「アザはできたことありません」と返事をしましたが、「来週こちらが予約する血液内科のある病院で、もっと詳しくみてもらってください」と言われました。 編集部: そうなのですね。それからどのような変化がありましたか? グッチさん: 血液内科での再検査までの1週間で、体に異変が起きました。太ももに突然拳よりも大きなアザができたのをきっかけに、体のあちこちにアザができました。舌には大量の血豆ができ、異常なことに戸惑いましたが、「あと2、3日で検査行くから様子見しておこう」くらいの気持ちで過ごしていました。その期間に訓練でヘリコプターからロープで50mの高さから降下するような訓練にも参加していましたが、生きているのが奇跡だったということを後から知りました。 編集部: 突然体の異常が現れたのですね。検査はどうでしたか? グッチさん: 自衛隊の健康診断での血液検査ではエラーが出た、と言いましたが、エラーが出るのは白血球の正常値が15~34万に対して、数値が1万より下の場合と後から知りました。血液内科での検査結果、当時の私の血小板の数値は「7000」しかありませんでした。もちろん即入院となり、「正常の最低値が15万の血小板の数値が7000?」と衝撃を受けたことを覚えています。そして、骨髄穿刺を受け、「特発性血小板減少性紫斑病」と診断されました。骨髄穿刺が人生で一番痛かったですね。 ※衛生隊:陸上自衛隊の職種の一つで、隊員の健康管理や防疫及び衛生資材等の補給整備等を行う 編集部: どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか? グッチさん: 「まずはステロイド治療、最低でも2カ月の入院が必要」と言われました。そして、「長期のステロイド治療によって筋力が衰えとADL(日常生活動作)の低下が考えられるため、退院しても自宅療養をするように」と言われました。 編集部: 病気が判明したときの心境について教えてください。 グッチさん: 実は、この時の自分の心境は不安や心配ではありませんでした。これまで、病気や入院とは無縁の人生だったので「ついに自分も入院する日がくるのか」という気持ちだけでした。治療へのモチベーションがなければ気が滅入るだけなので、とにかく前向きに考えました。妻と子どもにも、楽しく治療を頑張るパパを見せて、不安にさせないように心がけました。治療期間中は安静にしている必要はあったものの、外見は普段と何も変わらず過ごせたので、家族もそれほど思い詰めることがなかったのが何よりも救いでした。