最悪来年1月から再び興行自粛も…なぜボクシング界のガイドライン違反はなくならないのか?
プロボクシングのJBC(日本ボクシングコミッション)とJPBA(日本プロボクシング協会)による新型コロナウイルス対策連絡協議会が1日、オンラインで行われ、感染予防対策のガイドライン違反がなくならず感染拡大がひどくなれば、最悪、来年1月以降の興行を自粛することを決定した。またこれまでの前日のPCR検査では陽性反応が出た場合、興行の緊急中止につながるリスクがあるため20日以降、検査を前々日に前倒しにし、選手は2日間隔離されることになった。世界戦においては試合までに3度、日本王座戦及び地域王座戦では2度、検査を実施することも決定した。ボクシングを守るための厳しい決断だ。
スポーツ庁からも要請
新型コロナウイルスの感染拡大の猛威が止まらない。 ボクシング界では11月3日に大阪で予定されていたWBA世界ライトフライ級スーパー王者の京口紘人(27、ワタナベ)の世界戦が前日のPCR検査による陽性反応で中止。11月23日には、ミニマム級の元4団体世界王者で東京五輪出場に挑戦していた高山勝成(37,寝屋川石田)のプロ復帰戦が、当日に対戦相手の小西伶弥(27、SUN‐RISE)に陽性反応が出たため試合は中止、興行は行われたが混乱をもたらした。 加えて一部の興行での目に余るガイドライン違反が目立ち、スポーツ庁からも感染拡大を受けて、ガイドラインの厳守の要請が出たため、JBCとJPBAは、最悪、再び来年度以降の興行自粛に舵を切る方向性を確認した。 「ガイドライン違反が少なくならない。加えて感染状況が悪化、スポーツ庁からも要請が出ています。今後、ガイドライン違反があれば、試合中止も含めて厳しく対処し興行が困難であると判断すれば、来年度はすべての興行を自粛してもらうことを理解してもらった、それくらいの覚悟でやっていこうということです」と、JBCの安河内剛事務局長が明らかにした。 具体的には11月下旬に関西で行われた3興行で場内アナウンスで呼びかけ、警備員が直接注意したケースまであったが、一部の観客の大声を出しての声援が止まらなかった。JBCとJPBAは感染予防のガイドラインを定め、応援は拍手で行い、大声を出さないことの徹底をプロモーターに求めていた。また試合前日のPCR検査後に自宅での隔離が義務づけられているチーフセコンドが出歩いてプロテストに顔を出すなどした違反行為もあったという。 「お客さんの目に余る違反行為を許せば会場でクラスターが発生する可能性もある。今後は、すべてアウト。お客さんの退場や試合の即刻中止をせざるをえない」と安河内事務局長。