海外メディアは54歳タイソン復帰戦が“ドロー”に終わるも高評価「茶番ではなかった」「史上最高のエキシビション」
プロボクシングの元ヘビー級3団体統一王者のマイク・タイソン(54、米国)と元4階級制覇王者、ロイ・ジョーンズ・ジュニア(51、米国)のレジェンド2人が拳を交える注目のヘビー級エキシビションマッチが28日(日本時間29日)、米国ロサンゼルスのステープルズ・センターで無観客試合として行われ、両者は8ラウンドをフルに戦い“ドロー”に終わった。2分×8ラウンドの特別ルール。正式なジャッジはなかったが、WBCの元王者ら3人の特別ジャッジがリモートで非公式採点を行い3者3様の引き分けと判定した。 15年5か月ぶりのリング復帰となったタイソンは、45キロもの減量をし鍛え上げた肉体でこの試合に挑み、随所に54歳とは思えぬ、小刻みに上体を揺らす往年の動きと、フック、ボディのパワーを披露。一方のジョーンズは、クリンチでその攻撃を止めるのが精一杯で、米の専門メディアの調査によると、データのトータルは、タイソンが193発中67発(ボディが35発)の効果パンチを放ち、ジョーンズは236発中37発(ボディが4発)というものだった。 試合はタイソンが優勢で、元2階級制覇王者で映画の題材にもなったビニー・パジェンサがつけた「80―76」でジョーンズ支持のフルマーク採点は理解できないが、それもエキシビションゆえのリスペクトだったのか。米英メディアは、この試合に総じて高評価を与えた。
「恥ずかしい試合ではなかった」
米ヤフースポーツは、「タイソンとジョーンズの合わせて105歳のボクサーがリングに復帰した。(試合は)悪くなかった」と伝えた。 記事は「公式な採点はなかったが、WBCからの有名人によるジャッジはドローとした。ヤフースポーツ採点はタイソンに6ラウンドを付け、78-74とした」と紹介。 「50歳以上の男が戦うというアイデアは良いものではないが、懸念にもかかわらず、ショーとしては面白かった。演出は一流で合間の音楽も良く、これらが試合を上回ることもなかった」と評価した。 さらに「昔の戦いからはほど遠いパフォーマンスだったが、恥ずかしいものでもなかった。カリフォルニア州アスレチックコミッションのアンディ・フォスター氏が『彼らは激しく、しかしお互いに殺し合おうとはしないように戦う』と語っていたように戦った。両選手は3ラウンドまでに激しく息をしていたが、最後までやり遂げた。彼らは2分の8ラウンドを戦い、プロのヘビー級が使用する10オンスの代わりに12オンスのグローブを着けた。だが、茶番のようには見えずレジェンドたちが取り組む様子を見るのは楽しかった」と伝えた。