円は143円台後半に下げ拡大、米利下げ急がずとの見方-実需の売りも
(ブルームバーグ): 19日の東京外国為替市場で円相場は1ドル=143円台後半に下落。米連邦公開市場委員会(FOMC)は大幅利下げに踏み切る一方、今後の利下げは急がない姿勢を示した。米国の長期金利が時間外取引で上昇していることが材料視されている上、国内輸入企業の実需の円売りも出ている。
FOMC、0.5ポイントの利下げ-積極緩和で経済守る決意表明
りそなホールディングス市場企画部の井口慶一シニアストラテジストは、先行き利下げを急がないとの見方から米長期金利が上昇しているほか、国内輸入企業の円売りもあって円相場の下落幅が拡大していると話した。
海外市場で米連邦準備制度理事会(FRB)による大幅利下げを受けて一時140円台半ばまで上昇したが、パウエル議長の会見により利下げは急がないとの見方が広がり、円が売り戻された。
あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストは、FOMC会合参加者の金利見通しやパウエル議長の会見で「利下げを急いでいないことが示された」と指摘。米経済がソフトランディング(軟着陸)して市場の過度な利下げ期待が修正されれば、ドルの戻りがあるかもしれず、年内は140円がドルのサポートになるとみる。
FOMC会合後に公表された経済予測では、19人の当局者のうち10人が年内残り2回の会合で少なくとも0.5ポイントの追加利下げを支持していることが示された。パウエル議長は記者会見で「今回の決定を受けて『これが新しいペースだ』とは誰も捉えるべきではない」と述べた。
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Masahiro Hidaka