年齢を理由に自分の可能性を狭めてはいけない…「急激に衰えてしまう人」に何が起きているのか
高齢者専門の精神科医である和田秀樹さんは著書『脳と心が一瞬で整うシンプル習慣 60歳から頭はどんどんよくなる!』で、いくつになっても脳の働きを活性化させ、賢くなり続けられるのだと語っています。一生、最高の自分を更新し続けたい人に役立つ同書から一部抜粋・再構成してお届けします。 ■老いに抗うのは、楽しく生きるための大人の知性 「自分はまだまだ若い」という気持ちで生きることは、とても大切です。 実際に今のシニアは昔に比べてずっと若々しく、いろいろなことができますし、70代でノーベル物理学賞を受賞された小柴昌俊さんなど、高齢になっても華々しい活躍をされている人はたくさんいます。
年齢を理由に自分の可能性を狭めてしまうのは、とてももったいないことです。世間一般で「若作り」と言われるようなことは、実際に老化のスピードを遅らせてくれます。今後は「もうこんな歳だから」という言葉は一切封印し、自分の豊かな可能性を信じてください。 とにかく、老いと闘える間は、しっかり闘い抜くことが大切なのだと思います。頭も体も、使えば使っただけ、老化を遅らせることが可能になります。 私が多くの患者さんを診てきたなかで感じるのは、急激に衰えてしまう人というのは、ご自分の年齢を理由に、さまざまなことをやめてしまった人です。
「自分にはまだまだできる」という気持ちは、人生を底上げしてくれるものですし、実際にそのような意欲を持っていろいろなことに挑戦し続ける人は、肉体的にも精神的にも若さを保てるでしょう。 今日元気に歩けている人が、一年後も同じ状態を保っていられる保証はありません。 とにかく、「本気で老いと抗う」と決めてみてください。今できていることに感謝し、その機能をめいっぱい活用することで老化と闘うのは、楽しく、豊かな人生を生きるための大人の知性です。
■老いを受け入れるのもまた、心豊かに生きるための知恵 老いに抗うことの大切さをお伝えしましたが、一方で、ちょっと矛盾するようですが、「老いを受け入れる」ということもまた、心地よく、賢く生きるために欠かせない姿勢だと思います。 老化と闘うという姿勢は、確実に人を若くいさせてくれます。 ですが、人間は必ず老いていくものだということは紛れもない事実です。そこから目を背け、永遠に反発していては、人生はとても窮屈で苦しく、そして悲哀に満ちたものになってしまうでしょう。