山小屋泊かテント泊か?泊まり登山で悩みがちな宿泊方法の選び方とそれぞれの魅力を解説
テント泊の魅力
次に、テントに寝泊まりする方法です。 登山の醍醐味ともいえ、山を登り続ける人なら誰しも一度は挑戦したいと思うものでしょう。 自らの力で荷を背負い、そして設営したテントはなんとも誇らしく、はじめてテントを設営した瞬間のことを筆者は大切な思い出として今も記憶しています。 ◆自分の力で登るという充実感 自分の力で登る、という点では山小屋泊も同じですが、山小屋泊より自分にかかる負荷が大きくなるのがテント泊です。 テント泊をするには、重たい荷物を持って歩き通す「体力」と「意思」が必要です。 テント泊に惹かれるのは、そんな重たい荷物を自ら背負い、歩き通した時の充実感、そしてテントを組み立てて自分だけの家を作り上げた時の達成感です。 苦労はしますが、一度体験したらまたテントを背負って山をつなぎ歩きたくなってしまうほど、テント泊には充実感と達成感があります。 ◆プライベートの空間と時間が確保できる 筆者はテント泊登山、なかでもソロテント泊の割合が多いです。 それは、自分だけの空間が確保でき、気兼ねなく山での時間を過ごしたいという理由からです。 テント内は好きなレイアウト。本を読んだりテントのそばで食事を作ったり、気ままに過ごせるのはテント泊ならではです。 ただし、山小屋指定の場所でテントを張る場合は、決められたルールを守って楽しみましょう。 ◆コストパフォーマンスが高い 山小屋の指定地にテントを張らせてもらう場合、日数に応じた利用料を支払います。 利用料は山小屋それぞれですが、2,000円やその前後であることが多く、お財布に優しいという点は大きいです。 数日かけて山を登る場合、どうしても宿泊費用が気になります。 テント泊ならその点を解消でき、コストを気にせず山を楽しむことができます。
あなたにはどっちがおすすめ?山小屋泊とテント泊
◆初めて宿泊登山をするなら山小屋で安心を 山小屋を最もおすすめするのは、初めて宿泊登山をするなどの初心者の人です。 山の夜は街の夜と違い、気温差、足元の不明瞭さ、野生動物の存在、など、多くのリスクがあります。 まずは安心な山小屋を利用して、山の夜を体験するのが良いです。 また、はじめて登る山域で泊まる場合も、山小屋泊がおすすめです。野営装備を背負わないことで心身の負担が軽く済むので、安全登山という点でもメリットがあります。 はじめからテント泊も良いですが、その場合は経験者に同行してもらうようにしましょう。 ◆数日間山をつなぎ歩きたい経験者にはテント泊 テント泊は、山小屋泊と比較して柔軟な登山計画を立てることができます。 数日間で複数の山小屋を利用しようとすると、繁忙期の宿泊予約は至難の業。特定日営業の山小屋利用も含めると、選択肢は非常に少なくなってきます。 その点、山小屋管理のテント指定地などは予約不要の場合が多く、管理者が不在でも利用料を収めればテントが張れる場合もあります。 平日決行でも計画が立てやすく、営業期間外でも利用できる柔軟性は、テント泊ならではです。 幕営技術や数日間野営装備を背負って登る体力が求められる経験者向きの選択にはなりますが、登山の醍醐味をとことん味わえるのは魅力です。
山小屋泊とテント泊で登山を満喫しよう
いかがでしたか。それぞれに魅力があり、それぞれにメリットがある山小屋泊とテント泊。 自分の力量や目的に合わせて、どちらかにこだわらず無理のない計画を立て、登山を楽しんでくださいね。 北村 一樹さん アウトドアライター 関東甲信越の山を中心に、1年を通して日帰りから縦走、沢登りや雪山を楽しんでいます。数日間沢に入って魚を釣りながら山頂を目指し、藪を漕いでいく汗まみれ、泥まみれの登山が大好物。ファミリーキャンプ、ロードバイクでヒルクライムなど、海と山があるのどかな町に住み、暇を見つけては年中山で過ごしています。
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