ルノーが「革新的なインテリア」公開 デジタル&物理の融合 操作性向上と高級化を狙う
物理ボタンを残しながら高級化を進める
ルノーは、2028年に発売予定の次世代EVで、インテリアデザインへのアプローチを根本的に見直す予定だ。使い勝手を向上させながら高級志向に転じ、先進的な新技術を取り入れていく。 【写真】未来の内外装デザインがスゴイことに!【ルノー・エンブレム・コンセプトを写真で見る】 (17枚) 同社でデザイン責任者を務めるジル・ヴィダル氏は、先日公開されたコンセプトカー「エンブレム」の概要について説明しながら、「コックピットやユーザー・インタラクションなど、ほとんどすべてにおいて画期的なソリューションを導入する」と語った。 エンブレム・コンセプトのインテリアは、現在の市販車とは大きく異なるもので、デジタル化とタッチ操作に重点を置き、人間工学への新しいアプローチとドライバーの安全性を優先している。 デザインの中心となるのは、3枚のスクリーンを統合したフルワイドの曲面ディスプレイであり、これにはルノーのインフォテインメント・システム「OpenR」の最新バージョンが搭載される。 「インタラクション」と「没入感」という点で、このディスプレイがもたらすチャンスは数多くあるとヴィダル氏は言う。しかし同時に、全面的なデジタル化の流れに逆らい、最も重要な操作には物理的なボタンやスイッチを割り当てる方針だ。 「物理的なボタンを上部に配置したい。車内で必要なすべてのアクションに階層を作るつもりだ」 「次世代のコックピットでは、クルマとクルマの使い方の進化に関して、(ボタンとして)何が賢明であるかを理解する必要がある。賢明なものは物理的なボタンとして残す」 「物理的なインタラクションとスクリーンでのインタラクションのバランスを見つけたい。これらは目立たせる必要がある。車内にはますます多くの機能が搭載されるようになっているため、これを非常に直感的で使いやすいものにすることが我々の責務だ」 ヴィダル氏は、ルノーが物理とデジタルを融合した 「フィジタル(phygital)」というアプローチを採用していることを認めた。オーディオの音量コントロールやインフォテインメント用のハプティック(触覚)ボタンなど、物理的操作系とデジタルコントロールをミックスするという概念であり、運転中に気が散るような要素を最小限に抑えながら、可能な限り機能性を高めていく狙いがある。 「使いやすさが第一だ。すべてをスクリーンに映し出すことに執着するブランドも見受けられるが、車内で必要なあらゆる調整をわかりやすくするという点では、あまり良いことではないのかもしれない」