「オールドメディアは“大企業の圧力”で偏向する」が“間違い”である理由ーー2025年、「オールドメディアの衰退」は現実となるのか?
昨年9月、ブラジルで、Xが偽情報を拡散するアカウントの規制に応じなかったとして、最高裁判所が同国内でのサービスを停止する命令を出している。11月にはオーストラリアで、 X、インスタグラム、TikTokなどのSNSについて、16歳未満の利用を禁止する法案が可決している。 日本ではさほどでもないが、海外の多くの国では、SNSが及ぼす悪影響が社会問題としてとらえられるようになっているのだ。 ■日本でも「SNS離れ」が加速するか
一方、日本においては、SNSで受けた誹謗中傷に対し、これまで泣き寝入りすることが多かった。しかし、最近では法的措置を取る動きが目立ち始めている。このような潮流が加速していくと、日本でもSNSに対して規制をかける動きが出てくると思われる。 そうでないとしても、今後、広告主やユーザーが離反していく可能性も十分に考えられる。 昨年末、MIXI社が新たなSNSサービス「mixi2」を開始した。これがどの程度普及していくかは現時点では未知数だが、多くのSNSユーザーは、誹謗中傷、フェイクニュース、違法広告が飛び交う既存のSNSの世界に食傷気味になっているように思える。
2025年は、オールドメディアだけでなく、SNSをはじめとする“ニューメディア”も曲がり角を迎える年になると筆者は予想している。また、両者ともにその在り方を根本的に見直さない限り、健全なメディアの未来は拓けないだろう。
西山 守 : マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授