『DAZN』には感謝しかない。サッカー日本代表戦、無料配信のありがたみ。「Fan Zone」への批判は間違いだ
サッカー日本代表は、11月のFIFAワールドカップ26アジア最終予選(3次予選)の2試合(インドネシア戦、中国戦)を連勝で終え、W杯出場へ大きく近づいた。今シリーズはいずれもアウェイゲームであり、地上波放送がなかったが、『DAZN』が無料配信を実施。様々な意見が飛び交ったが、我々は感謝すべきだろう。 【最新順位表】2026年ワールドカップ(W杯)アジア最終予選 Jリーグや海外サッカーなど、スポーツの中継を行なっている動画配信サービス『DAZN』は、日本代表が戦った11月のアウェイ2連戦を「FAN ZONE」で無料配信を行なった。これは「100万回パスをつないでみんなで#代表みようぜ 」の企画として、「#代表みようぜ」をつけたリポストを含むXの投稿やいいねなどが、累計 100万回を超えた場合に、無料配信を行うというものだった。 近年、放映権料は世界各地でも高騰しており、昨年のシリア代表戦は、結果的に放送・配信がなく、ファンを落胆させた。また、2023年のFIFA女子ワールドカップもなでしこジャパン(日本女子代表)の日本での中継が大会直前まで決まらなかった(NHKが日本戦および決勝を放送)。 そんな状況の中、より多くの方々に日本代表を応援してほしいという意向で2試合を無料配信した『DAZN』には感謝しかないだろう。実際、インドネシア戦は『DAZN』史上最多視聴者数を記録したとの発表もあり、多くの人が日本代表の勇姿を目に焼き付けることができた。 だからこそ、批判的な意見が多かったのは少し違和感がある。 FAN ZONEでは矢部浩之さん(ナイティナイン)、ももいろクローバーZの玉井詩織さん、井口浩之さん(ウエストランド)といった各ジャンルのタレントが出演。林陵平氏や槙野智章氏といった元プロサッカー選手も出演したが、試合をがっつり解説するというよりは、雑談を交えながら、ラフに試合を見るという面が大きかった。 これに対しSNSなどでは「ゲストの方の雑談がうるさい」、「もっとしっかりサッカーを見てほしい」などの意見が多く見られた。また、試合の映像は有料版よりも小さく、スタジオ出演者がワイプで映し出されており、その見にくさに関しても批判的な声が多くあがった。 しかし、無料である以上、有料コンテンツより多少質が落ちるのは仕方のないこと。そもそも「Fan Zone 」は今回初めて行ったものではなく、以前からあり、あらかじめ配信形態などの説明も『DAZN』からされていた。繰り返しになるが、放映権料が高騰している中、敵地での日本代表戦を2試合も無料で見られること自体、今では非常にありがたいことであり、批判は『DAZN』に向けられるべきではない。 日本代表の試合をしっかりと確認したいならば、やはり有料コンテンツにお金を使うべきだろう。もちろん、近年は『DAZN』も値上がりを続けているため、人によってはそう簡単にお金を払えない場合もある。しかし、今や貴重となった無料配信に文句を言うほどサッカーをしっかりと見たいならば、出費を渋るのはやめよう。
フットボールチャンネル編集部