センバツ高校野球「飛ばない」金属バット導入 なぜ? 影響は?
第96回選抜高校野球大会が18日に開幕しました。創設100年を迎えたセンバツは、低反発の「飛ばない」金属バットが導入されました。なぜ? 影響は? 理由を探りました。 【写真】新しいバットと旧基準のバット Q センバツの注目ポイントは? A 高校野球では今シーズンから、低反発の新基準の金属バットが導入されました。2022、23年度は移行期間でしたが、今春から完全に移行しました。 Q 従来の金属バットとどう違うの? A 新バットは最大直径が従来より3ミリ短い64ミリに縮小されました。900グラム以上の重量制限は維持しましたが、球の当たる部分を3ミリから4ミリ以上に厚くすることで反発性能を抑えました。打球の平均速度、初速がともに3%以上減少するといいます。 Q なぜ新しい金属バットを導入したの? A 投手らの打球の受傷事故を防ぐことが主な目的です。高校野球では1974年に金属バットが導入されて以降、プロなどに比べて打者優位の「打高投低」が顕著となりました。01年には重さ900グラム以上、70ミリだった最大直径は67ミリに基準が変更されました。打球速度を抑えるためです。それでも科学的なトレーニングが進み、選手の筋力が発達して打球の力強さが増す傾向にありました。投手らを守るには、新たな対策を講じる必要がありました。 Q 投手が有利になる? A 想定通りならば打球の速度や飛距離が低下し、長打の減少が見込まれます。投手に有利な「投高打低」になるかもしれません。出場校の監督や選手らも「ロースコアの試合展開が増えそうだ」と受け止めています。新基準のバットが戦略や勝敗にどう影響するかは今大会の見どころの一つです。 Q 試合以外の変化は? A 高校野球では独自に禁止されてきた、投手が一度上げた足を上下したり停止したりする「2段モーション」は、今春から解禁されました。センバツのベンチ入り選手数の上限は18人から20人になりました。