【最終予選「前半戦6試合」徹底総括】森保ジャパンが"完全体"へ進化するために必要なこと
では、最終予選で評価を上げた選手は誰なのか? 垣内氏は10番を背負う堂安律(フライブルク)を挙げる。 「森保監督は前線の選手による守備の重要性を訴えていますが、堂安はしっかり上下動できる選手。プレースキックで相手が急に攻撃の人数を増やしたときも、とっさにマークについていました。最終予選では右WB(ウイングバック)として先発に定着しましたが、森保監督の信頼の厚さを感じます」(垣内氏) 一方、ミムラ氏はふたりの名前を挙げる。 「鎌田大地(クリスタルパレス)がいると試合がうまく回ります。守備でのプレス強度は高くないものの、インテリジェンスに長けているので、状況に応じてシステムを変えたいときほど鎌田の存在が利いてきます」(ミムラ氏) もうひとり、ミムラ氏が挙げたのはGK鈴木彩艶だ。 「1対1でしっかり止められるのが非常に大きい。『彩艶なら止めてくれる』という安心感があるからこそ、積極的に攻撃を仕掛けることができています。最近では自信や余裕を感じますし、アジア杯の頃と比べると劇的に成長していて、そこは信頼して使い続けた森保監督の成果といえます」(ミムラ氏) ■ケガ人続出のDFライン ここからはポジション別に深掘りしていきたい。 まずは攻撃的3バックで注目を集めるDF陣について。ここまでの6試合でわずか2失点と安定しているものの、ケガ人が続出。 本来は守備陣のリーダーとなるはずの冨安健洋(アーセナル)は膝を負傷、7月に中足骨を骨折した伊藤洋輝(ひろき/バイエルン)も11月に再手術して復帰時期は未定と、最終予選で未招集の状態が続いている。 そんな中、序盤4試合は町田浩樹(こうき/サンジロワーズ)、谷口彰悟(シントトロイデン)、板倉滉(ボルシアMG)の3人で安定した守備を披露していたが、11月シリーズ直前に今度は谷口がアキレス腱を断裂。 9月シリーズの後に膝の靱帯を損傷した中山雄太(町田)も含め、DFラインの台所事情は厳しいものがある。