EARTHGANGが語るアルゴリズムとの闘い、東京の記憶、ファレルやスヌープとのコラボ
J・コール率いるDreamville Records所属のヒップホップ・デュオ、EARTHGANGが12月5日にduo MUSIC EXCHANGEで初来日公演を開催する。アトランタ出身のOlu(オルー)とWowGr8(ワウグレート)が最新作『PERFECT FANTASY』、ファレルやスヌープとのコラボ、インディペンデントであり続ける意味について語った。 【画像を見る】ローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高の500曲」 * アトランタ出身のデュオ、アースギャング(EARTHGANG)は最新アルバム『PERFECT FANTASY』を10月29日(火)にリリースした。2013年にビヨンセがセルフタイトル作をサプライズでリリースして依頼、音楽業界では金曜日がアルバムリリースの日として定着しているが、アースギャングはもう金曜日のリリースの群衆に加わる事に興味がないと語る。「俺たちのテーマは“アースギャング vs. アルゴリズム” なんだけど、そのアルゴリズムが今や俺たちの手に負えなくなってきている。人々をこのプラットフォーム上で、ただその目的のためだけに行動させてしまっているんだ。」とOluは語る。「それで思うんだ、何でみんな同じような決断を強いられているんだ? 誰が決めたんだ? 何で火曜日にリリースしちゃいけないんだ? 俺たちはいつだって音楽をリリースして良いんだよ」。 “Earthgang vs. the Algorithm”はアルゴリズムに迎合しようとする私たちの欲求を検証する一連のプロジェクトだ。昨年9月、彼らは『RIP Human Art』をリリースし、Oluはこの作品がAIが人間の労働力、特にクリエイターの仕事を奪う可能性について探究したものだと語る。今年2月には『ROBOPHOBIA』を発表し、Oluは「どのようにすれば自分たちの創造力を活かし、このテクノロジーに対抗するのではなく、人々にとって有利な形でうまく使いこなせるか?」という問いを投げかける作品だと説明している。 『PERFECT FANTASY』は彼らの三部作の集大成だ。このアルバムには、前作2つのプロジェクトからの楽曲に加え、T・ペインを迎えた「Love U More」や、ファレル・ウィリアムスとの「U Gotta」などの新曲も収められている。アルバムの大半は隔離期間中にレコーディングされ、その期間は彼らにとって特に人間関係に関する気づきが多い時間だった、と二人は振り返る。その感情は「Red Flag」に表れており、WowGr8は曲中で「二回目のデートで、あなたの銀行口座は?レッドフラッグ / 何でこんな質問をするんだ?」とラップしている。Wowの内省的なリリックと南部由来のスタイルが、Oluのメロディアスなアプローチと見事に融合している。彼らは、先にEP二枚をリリースし、それを最終的に『PERFECT FANTASY』にまとめたことで、リスナーが一度に18曲を聴くよりも彼らの音楽をより消化しやすくなったと感じている。 このプロジェクトの舞台設定は、アースギャングのブランディング開発スタジオ「Satin Heart」によって作り上げられた「トーキョーランタ(Tokyolanta)」という架空の場所だ。彼らの故郷であるジョージア州アトランタと、世界で最も未来的な都市の一つとして称される東京を融合させている。実際に彼らは「U Gotta」のミュージック・ビデオを東京で撮影している。レジェンド・プロデューサーであるファレル・ウィリアムスは、スヌープ・ドッグ、リトル・ドラゴン、ゴリラズ、Cochiseと並び、『PERFECT FANTASY』の注目すべきフィーチャリング・アーティストの一員として参加している。 アースギャングは最新アルバムの制作過程、現代のテクノロジー、そして東京でのMV撮影について語ってくれた。