債券は小幅高、日銀国債買いオペ支え-FOMC待ちで取引手控え
(ブルームバーグ): 18日の債券相場は小幅高。米国で8月の小売売上高が予想外に増加し長期金利が上昇したことを受けて売りが先行した後、日本銀行による国債買い入れオペで需給が引き締まるとの観測から買いがやや優勢になっている。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鶴田啓介シニア債券ストラテジストは、「米国債安を受けて売り先行でスタートし、日銀国債買い入れオペが幅広い年限で実施されたことはサポート」と指摘。 足元の国債市場では「売り手不在」が意識され、目先の金利先高観が後退。背景は米連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利下げ観測による米長期金利の低下傾向、それに伴う円高進行で、日銀追加利上げの織り込み復活のきっかけを見いだすことができないと言う。
日銀は午前10時10分の金融調節で、定例の国債買い入れオペを通知した。対象は残存期間1年超3年以下、3年超5年以下、5年超10年以下、10年超25年以下。買い入れ額はいずれも前回オペから据え置いた。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、「国債買い入れオペに波乱がなければ、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果待ちムードが強まりそうだとも述べた。
米金利スワップ市場では、18日のFOMCで50bpの利下げが決まる確率が5割以上を維持している。次回以降の政策金利見通しを示す金利予測分布図(ドットプロット)やパウエルFRB議長の会見にも注目が集まっている。
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Hidenori Yamanaka