明日号砲!箱根駅伝2022に「山の神」は降臨するのか…V有力校の5区メンバーを検証…浮かび上がった最有力候補は?
2年ぶりの優勝を狙う青学大は5区に若林宏樹(1年)を登録した。 原晋監督はスポーツ紙の電話取材に「上り坂はとても強い。普段の力を出せば快走する」と若林に大きな期待をかけると同時に、「5区は調子の良い方を最後まで見極めたい」と経験者の飯田貴之(4年)を補欠に残している。 若林は1年生ながら出雲と全日本の両駅伝に出場。出雲は4区で区間6位、全日本は6区で区間12位と思うような結果を残せていない。 10000mで28分27秒72の好タイムを持っているが、”リスク”が高いような気がしている。 一方の飯田は前回9区で区間2位、前々回は5区で区間2位。箱根駅伝では安定感があり、5区では歴代2位の1時間10分40秒で走破した実績を持つ。原監督はどちらのカードを切ってくるのか。 「山の神」候補として注目が高まっているのが、順大・四釜峻佑(3年)だ。 前回5区(区間13位)を担った津田将希(4年)は8区に登録されており、5区には別の選手が入っているが、当日変更で四釜が入る可能性が高い。 四釜は5月の関東インカレ1部ハーフマラソンで日本人トップ。出雲駅伝は最終6区を区間4位、全日本大学駅伝も最終8区を区間2位と好走している。上りの強さは未知数だが、走力を考えると大きな期待感がある。なお長門俊介駅伝監督と初代「山の神」こと今井正人は大学時代の同学年。順大は全日本大学駅伝で20年ぶりのトップスリーに食い込んでおり、「山の神」が降臨すると、15年ぶりの総合Vが見えてくる。 11年ぶりの総合優勝を目指す早大は全日本で1区(区間6位)を担った伊藤大志(1年)を5区に登録した。伊藤は佐久長聖高時代に5000mで高校歴代2位(当時)の13分36秒57をマークした逸材。どんな走りを見せるのか。 明大は10000m28分09秒24のエース鈴木聖人(4年)が3年連続の5区に入れば区間賞を狙うことができる。中大・藤原正和駅伝監督と中央学大・川崎勇二監督は、「5区には自信を持っている」という発言をしていた。ともに具体名は明かさなかったが、中大は10000m28分37秒35のタイムを持ち、全日本で2区を担った阿部陽樹(1年)。中央学大は全日本8区で区間8位と好走した吉本光希(3年)が5区に登録された。楽しみな存在といえるだろう。 箱根駅伝は自然との戦いもある。標高が100m高くなると気温は 0.6 度程度低くなるため、5区は走行中に気温が5度ほど低下する。ときには強風が牙をむくときもある。山の5区は「速さ」ではなく「強さ」が求められる区間。新たなヒーローの誕生を期待したい。 (文責・酒井政人/スポーツライター)