「プレゼントもケーキも用意できない」ひとり親家庭の嘆き 物価高の中…さらに苦しくなった年末年始の生活
クリスマス会では、一般の家庭であれば、当たり前のように経験する「ホールケーキを切り分けて食べる」ということにこだわっているという。 参加した子どもたちは、冬休みをどのように過ごすのだろうか。 参加した小学生の母親B(50代) 「クリスマスは、中学生のお姉ちゃんがケーキを買ってきて食べるかもしれないですが、それ以外に冬休みの予定はないですね。 他県にある実家に帰省したい気持ちはありますが、交通費もかかりますし、実家で甘えてしまうと、子どもも私もこっち(東京)に帰ってくるのがつらくなっちゃうので…」 ■冬休みや年末年始 ひとり親家庭の約9割が心配や困りごと 「冬休みにどこにも連れて行ってあげることができません。冬休み明けに、みんなの楽しそうな旅行のお話しを、どんな気持ちで聞くのだろうと胸が締め付けられます」(2023年の下記調査から抜粋) 認定NPO法人「グッドネーバーズ・ジャパン」が2023年に、フードバンクを利用するひとり親家庭を対象に行った調査(※1)によると、回答者の約9割が冬休みや年末年始においての心配や困りごとを抱えているという。 ▼家にいる時間が長くなるため、水道光熱費や食費の支出が増えること、▼お正月・クリスマスなどの季節のイベントに際して、特別な食事や品物を用意したくでもできないことなどが、困りごととしてあげられた。 グッドネーバーズ・ジャパンのフードバンクの情報を、支援家庭に提供するなどといった連携をしているキッズドアの渥美未零さんは「ひとり親家庭の中には、クリスマスやお正月といったキラキラした年末年始を楽しめない家庭も多い」と指摘する。 キッズドア 渥美未零さん 「今年の夏からジワジワと続いている値上げの打撃がとても大きいです。電気代やガソリン代も高騰していますし、おコメの価格も高いままなので、親は1日1食にせざるを得なかったり、子どもは朝と昼を兼用にしたりしている家庭もあります。食事をとらない親を見て、子どもが『お腹いっぱい』と言うようになってしまったという話も聞きました。 その影響なのか、子どもの体重がなかなか増えなかったり、肌荒れがひどくなってしまったりということに悩む親もいて、『食べさせてあげられないことが情けない』と悲痛な声も。 ひとり親家庭にとって、クリスマスやお正月は、あってないようなものではないでしょうか」