多くの大人が「懐かしい!」と思う、“長年の課題”を攻略へ…。あのヨーグレットが気づけば「グミ化」一体なぜ
ヨーグレットとハイレモン。この定番のお菓子2つに2024年9月、「グミ版」が登場したことをご存じだろうか? 筆者はまったく知らず、売り場でみつけて驚いた。 【画像】グミになった「ヨーグレット」はこんな感じ グミはこの10年で市場が約2倍に成長している伸び盛りのお菓子だ。しかし、なぜあえて大定番の駄菓子をグミにしたのか? そんな疑問を持って手にとってみると、ロゴがおなじみの明治ではなく、「atrion」になっているではないか。 調べてみると「atrion」とはアトリオン製菓というメーカーで、明治からヨーグレットとハイレモンの製造を委託されていたグループ内の製造会社「明治産業」が、丸紅に譲渡され、その子会社として再出発していたのだとわかった。
こうなってくるとますます気になってくる。いったいヨーグレットとハイレモン、そして製造会社に何が起きているのか。 ■ロングセラー商品が抱える“空白期間”の壁 発売から40年以上、子供たちに愛され続けているヨーグレットとハイレモン。両者の「グミ版」は明治グループ時代に発売され、アトリオン製菓に引き継がれていた。そして2024年9月3日、「グミの日」に「ヨーグレットグミ」のリニューアル品が発売された。 【画像】いつの間に!? グミになった「ヨーグレット」はこんな感じ
グミの発売、そしてリニューアルの背景には、「購入時期に間が空いてしまう」問題があったという。M&Aのタイミングで丸紅から出向し、社長に就任した山下奉丈さんは、次のように語る。 「消費者にヨーグレットとハイレモンを見せると、第一声に『懐かしい』と言われてしまうことが多いんです。認知されていることはポジティブですが、裏を返すと、『今は食べていない』ということですよね」 遠足のお菓子として定番の地位を築いてきたものの、成長した子供たちの記憶に「懐かしい」と残るだけの存在になってしまっていたのだ。少なくとも、自分に子供が生まれるまでは。