JR東日本が「通過するだけ」の駅を「暮らしの起点」に転換しようとする狙い
● ホテル事業を積極展開 総客室数は1万を突破 もうひとつ積極的に推進するのがホテル事業だ。ホテルメトロポリタン、ホテルメッツを中心としたホテル事業の総客室数は、2002年度から2022年度の20年間でおおむね倍になっており、近年は毎年のように新規出店を行なっている。 2023年度は羽田、幕張豊砂、赤羽、田端の4店がオープンし、総客室数は1万を超えた。鉄道業界では相鉄HD、東急、阪急阪神HDに次ぐ規模である。 2023年3月の投資家向け説明会「IR DAY」で、「ホテルの新規出店判断時に重要視する点は」との質問に対し、「メトロポリタンホテルズのようなシティホテルタイプは、主要な駅やエリア内の県庁所在地などコンベンションが成り立つところへの展開が主である」「観光型ホテルは観光地の需要喚起につながるか、地元とのシナジーが発揮できるか、鉄道事業の喚起につながるかなど、トータルで投資効果を得られるかどうかを勘案して展開を考える」と説明している。 ただ、こうしたホテルに適した立地は限られるため、比較的細長い土地でも開発可能なホテルメッツなどの宿泊特化型ホテルもあわせて資産の有効活用を図る。
枝久保達也