不動産会社の経営者が教える! シングル女性が「今家を買うべき理由」
家探しは自分と向き合うことから始まる
――それでは実際に、家を購入したいと思った人が、やるべきことを教えてください。 石岡 まずは、どの街(どんな環境のエリア)に住みたいか、その家にどのくらいの期間、誰とどのように暮らしたいか、といったことを具体的にイメージしていきましょう。 たとえば、通勤に便利な場所で暮らしたい、おいしい食事処や活気ある商店街のある街がいい、リモートワークや趣味のためにリビングと寝室は分けたい、広いキッチンのある物件がいい、植物が育てられるベランダが必要、彼氏と同棲したい…など。 そうすると、住みたい街や間取り、必要な面積などが明確になります。 ――手始めに、モデルルームや内覧会に行く人もいると思うのですが。 石岡 それはやめたほうがいいですね。モデルルームなどは美しく整えられた空間ですので気分が高揚してしまい、自分が住みたい家のイメージがぼやけてしまったり、理想とは違う物件なのに即決してしまったりする可能性も。まずは、しっかり自分自身と向き合うことから始めてほしいです。 ――場所や物件のイメージが定まった後は、何をすればいいのでしょうか? 石岡 どのくらいの価格の家が購入できるのか、予算の洗い出しを行いましょう。銀行の住宅ローンの仮審査を出してみることをおすすめします。WEBから申し込むことが可能で、年収や保有資産などを入力すると、いくらくらいの借り入れができるか数日で回答を受け取ることができます。 ちなみに、現時点で銀行から借りられる住宅ローンは、年収の7~8倍が目安と言われています。 ――その他の費用には、どのようなものがありますか? 石岡 購入時、銀行や不動産会社などに支払う手数料や諸経費として物件価格の5~7%が必要です。たとえば、3000万円の物件であれば、150万円~210万円ほど。その他、引っ越し費用も用意しておかなければなりません。 またマンションの場合、ローンとは別に維持費として管理費や修繕積立金が毎月発生することも忘れないでください。 ――予算を洗い出せば、現在の家賃と比較できたり、諸経費や引っ越し費用を貯めるモチベーションになったり、いいこと尽くしですね。 石岡 そうですね。お金のことを明確にすれば、「自分にも買える!」という自信につながるのでおすすめです。 ――その後、いよいよ物件探しですね。どのような不動産会社の担当者にお願いするのがおすすめでしょうか? 石岡 予算、立地、間取りなどの条件だけで候補となる物件を紹介してくる担当者はおすすめできません。購入者がどのようなライフプランを描いているのか、しっかりヒアリングしてくれる人がベストです。 ライフプランを知るための質問例としては、「結婚して子どもができたり、ライフスタイルに変化があったりした場合は、購入した家をどうしたいと思いますか?」「将来的に転職やUターンなどで住むエリアが変わる予定はありますか?」「月額の支払い金額は○○円くらいになりますが、35年間支払い続けられると思いますか?」など。こういった具体的なヒアリングをしてくれる方はいい担当者だと思います。 「大手だから大丈夫」「担当者は誰でもいい」といった考えは捨てて、最低でも3軒くらいの不動産会社を回って話を聞いてみましょう。自分に合った担当者=家選びのパートナー探しから始めてください。