今秋の日米野球は球数制限付の本気モード対決
今秋(11月12日から5戦)8年ぶりに開催される「2014 SUZUKI 日米野球」のMLBオールスターチームの監督と一部出場選手、並びに大会規定が20日、都内のホテルで発表された。まず発表されたのは、殿堂入り確実と言われている現役最強スラッガー、アルバート・プホルス(エンゼルス)、今季ヤンキースからマリナーズに10年240億円で移籍したロビンソン・カノ(マリナーズ)、キューバパワーで旋風を巻き起こしているヤシエル・プイグ(ドジャース)、アダム・ジョーンズ(オリオールズ)の早々たる顔ぶれの野手4人。 また監督には、ダルビッシュ有が所属するレンジャーズを2007年から率いてワールドシリーズ出場2度のロン・ワシントン監督が選ばれた。 MLBジャパンのマネージングディレクターであるジム・スモールは、「ベストと呼ばれるチームを作るのが目標。時差や初めての球場などの環境は(チームにとって不利なので)チャレンジとなるが、WBCで2度世界一になったチームを負かして、世界一であることを証明するんだという気持ちで真剣勝負を挑む」と『真剣勝負』を強調。「日本人メジャー選手も候補に入っていて、現在、出場に興味があるか聞いている」とも言うから、レンジャーズのダルビッシュ有やヤンキースの黒田博樹、マリナーズの岩隈久志が、今回ばかりは敵となって、侍ジャパンの前に立ちはだかる可能性もある。 会見に出席した侍ジャパンの小久保裕紀監督は、「日本でも馴染みのあるトッププレイヤーが集まった。日本のファンにとっても心踊らされるメンバーでワクワクしているが、2017年のWBCでの世界奪回に向けて、戦いがいがある」と笑顔で語った。この日、小久保監督をさらに驚かせたのが、日米野球史上、初めて採用される特別ルールだ。 WBCと同じく投手には80球以上投げることができないという球数制限が設けられ、50球以上投げた場合は中4日、30球以上、もしくは2日連続で投げた場合、中1日の間隔をあけなければならないことが決められた。また9回を終えて決着がつかない場合、延長10回以降は、無死一、二塁から攻撃をスタートさせるタイブレーク制が用いられる(延長12回で同点の場合は引き分け)。使用球もローリングス社のWBCの公式球。まさに“プレWBC”の色合いが濃く出された舞台設定で、これならば、メジャーのオールスターチームも本気モードにならざるを得ないかもしれない。