【高校野球】「今年は苦しい年になる」昨秋神宮Vの横浜・村田浩明監督が今年初練習でナインに訴えた理由
新たな年の始まりである。人々は笑顔で「いい年にしたいですね」と新春を祝うあいさつを交わす。 だが、この人は違った。1月5日。昨秋の明治神宮大会を制した名門・横浜の今年初練習。村田浩明監督(38)はナインを前に、熱っぽくこう語りかけた。 「今年は苦しい年になると思っている。全国のチームが『打倒・横浜』、いや『横浜をブッつぶす』と向かってくる。追う側は楽。追われる側はキツい。だからこそ、我々は進化しなくてはならない」 昨秋は神奈川県大会地区予選から15勝無敗と勝ちきった。2年生のエース左腕・奥村頼人に最速151キロの1年生右腕・織田翔希の左右二枚看板がそびえる。主将の阿部葉太外野手(2年)が先導する打線は切れ目なく、全国屈指の実力を誇る。しかし、指揮官は油断も慢心も一切ない。 「優勝してもできなかったことや、試合でうまくいかなかったことはたくさんあるので。そこを埋めていかない限り、衰退していくと思います」 だからこそ村田監督は今年の目標を「己に克つ」と定めた。そしてナインにも、勝負への厳しさを求める。 「苦しい中で、本当の力をつけていこう。全員野球で苦しさから逃げず、乗り越えていこう。まずは3月に向けて、いかに体を作っていけるか。自分の殻を破って、『入り』をしっかりやっていきましょう」 選手おのおのの腹の底、胸の奥から出る、力強い返事が冬空に響いた。苦しい日々に正面から向き合い、乗り越えたとき、2025年は最高の年となるに違いない。(加藤 弘士)
報知新聞社