「こんな会議、やめてしまえ!」プロが批判する会議のたった1つの特徴とは?
中立的な立場で会議をスムーズに進行し、参加者の相互理解を深める役割を務める「ファシリテーター」。年間300回のセミナー・講義を手掛けるプロ・ファシリテーターの横田伊佐男氏が「こんな会議なら、やめてしまえ」と思う会議のひとつに、画面オフで行うオンライン会議があるという。横田氏が“ブラック会議”を否定する理由とは?※本稿は、横田伊佐男『マーケティングコーチ横田伊佐男の特濃会議学』(日経BP)の一部を抜粋・編集したものです。 【この記事の画像を見る】 ● ファシリテーターがNGと感じる “ブラック会議”とは? ファシリテーターの本音です。 よく、こんなことを聞かれます。 「こんな会議、やめてしまえ!なんて会議ありますか?」 「どの会議にも意義があるので、やめてしまえなんて、そんな会議はございません」と表向きは行儀よく答えますが、実は逆です。 今回はそんな話です。 「そんなんだったら、やめてしまえ!」という会議があります。 そう、読者の皆さんも見かける“ブラック会議”です。 「え?ブラック会議?」と思われた方、無理もありません。 私の造語ですから……。 “ブラック会議”とは、オンライン会議でカメラをオフにした真っ暗な表示だらけの会議です。 コロナ禍になって、外出規制が強くなり、それでも仕事を続けるためにオンライン会議が浸透し始めました。 当初は戸惑いながらも、「お、通常の会議とあまり変わりないかもしれない」と少しずつ、オンライン会議に慣れ始めたことでしょう。 Amazonや家電ショップでは、高性能カメラやマイクが売り切れになったことを思い出します(もはや懐かしい)。 ところが、です。 目を離すと、意外なことが進行していました。 オンライン会議は、カメラ付きPCやスマホで行えるため、自らの顔を相手にさらして参加できるのですが、いつのまにか、顔出しをしない、いわゆるブラック会議に変貌してしまいました。 つまり顔出ししないのがデフォルト(あたりまえ)になってしまったのです。 「私はいつも顔出し、してるよ」 そういう方ももちろんいます。 これはあくまで経験上ですが、事業規模が小規模(個人事業主や中小企業)になるほど画面オン(顔出し)率が高く、大企業になるほど画面オフ(ブラック)率が高い傾向があります。 ブラック会議を見た時、いやー、これには違和感を覚えましたね。例えて言えば、街を歩く女性全員が、イスラムの教えを守る女性のようにヒジャブ(スカーフ)をまとって、顔を隠しているような場面に出くわした感じです。 そもそも“視覚”って最も情報を得られる最強の感覚じゃありませんか? ● 最短時間でゴールするために 参加者の表情を注視する 仕事柄、ファシリテーションする際、私は参加者のことに神経を研ぎ澄ませて、一挙手一投足を注視しています。そこから情報、例えば、あくびが多発し疲れが出始めたら、休憩を入れ空気を入れ替えるとか、意見が合意に向かいそうな中で納得してない表情の少数派がいないか、とか、“目”から情報を集めています。