マツダ「SKYACTIV-X」 ドイツ試乗で分かった“夢のエンジン”の潜在能力
ついに「SKYACTIV-X」試作車に乗る
この試乗会はドイツ・フランクフルト郊外にあるマツダリサーチヨーロッパ(MRE)を拠点に行われた。マツダの欧州本部であり、欧州の開発拠点である。MREの中庭には現行アクセラに偽装されたプロトタイプが並んでいた。実はこのクルマ、SKYACTIV-Xを搭載しているだけでなく、第2世代SKYACTIVシャシーが搭載された全くの新型で、中身は完全な別物である。シャシーについては次回、あらためて詳細をお伝えする。 まずはエンジン始動だ。少なくとも車内にいる限り、高燃焼圧によるディーゼルのような音は全くしないと言って良い。車外で聞いても従来のガソリンエンジンと明らかに違うと言う感じはしなかった。(3)はクリアだ。 細い路地や市街地でのレスポンスはフレッシュで、少なくとも中低速域のドライバビリティは従来のガソリンエンジンより良好だと言える。燃焼は目まぐるしく変わっているはずだが、それは全く分からない。(1)及び(5)の中低速域はクリアだ。
アウトバーンの速度無制限区間でもドライバビリティは良好。高回転域では旧来型の着火になっているはずだが、燃焼が切り替わった感じは検知できない。パワーに関してはこれが190馬力かどうかと言われるとそれほどパワフルには感じないが、市街地でもアウトバーンの中間加速でもトルクの太さは感じる。従来の高性能ガソリンエンジンのような吹け上がり感を期待すると、それはないが、高性能ディーゼルエンジンと比べるなら、ストレスなく上まで伸びる。概ねマツダの主張通りと言える。(1)及び(4)と(5)の高速域はエンジンに期待する性能によるが、余程ハードルが高くない限り及第点以上は出せる仕上がりだ。
さて、(2)はどうか? これはマツダが取ってくれた筆者の運転ログだ。図を見て欲しい。右上に書かれているのがトランスミッションの種別。中央上に4つの枠が並んでいるのが燃費だ。
Totalは文字通り総合。City/Subは市街地と郊外。つまりトータルの方はアウトバーンでの高速走行を含む燃費だ。左側がSKYACTIV-Xで右がSKYACTIV-G。日本式の燃費表記に合わせると以下のようになる。 MT:トータル15.6Km/L(X) 13.5Km/L(G) 116%(改善率) MT:市街地14.9Km/L(X) 12.8Km/L(G) 116%(改善率) AT:トータル13.2Km/L(X) 11.5Km/L(G) 114%(改善率) AT:市街地13.0Km/L(X) 11.1Km/L(G) 117%(改善率)