「極力頑張らない働き方」を選んだ人が幸せにすらなれない決定的な理由
● 仕事に対する努力はすぐに成果が出ないことも 10年以上のスパンで考えなければならない 「どうせ頑張っても……」という諦めは、早期に答えを求めすぎなのです。行動の結果どうなるかは、長いスパンで見ないと答えは出ません。「努力した」ことが人生というキャリアのどこで花開くかは、すぐには分からないのです。 20代前半から続けてきた習慣や行動は、30代以降になってより大きな価値を生みます。そう考えると、少なくとも仕事に対しては10年以上のスパンで考えていかないと、今だけを見て間違った判断をしてしまうでしょう。まさに因果応報。静かな退職による因果が巡ったときに後悔しても遅いです。 一部では、静かな退職によって「ワークライフバランスが取りやすくなり、睡眠時間も安定する」や「ストレスが減って楽になる」といった意見があります。しかし私は、それはメリットなどではなくデメリットだと感じます。 もちろん、無理をして睡眠時間を削るのは悪いことです。適切な休みを取ることができない劣悪な職場環境については、見直す必要があります。しかし、必要以上に寝るために仕事を諦めるのは本末転倒でしょう。そのうち、時間ばかりあっても「お金や選択肢がない」など将来が不安で眠れなくなります。 また「ストレスが減る」のは良いことですが、「楽になる」のは良い面ばかりではありません。筋トレと同じで、負荷を経験して精神的に強くなります。耐性を付けていかなければ、いつまでも同じ負荷に耐えられないままどころか、ドンドンとハードルが下がっていきます。 時間と共にできることが減っていく人生の先まで考えたとき、「静かな退職」なんてものに本当にメリットがあるのでしょうか。私は、一つもないと思います。もったいない人生になってしまうんです。 「静かな退職」を選んでしまった、またそれに向かおうとしている人は、本当にその人生でいいのか、もう一度考え直す機会があれば良いなと思います。「自分の人生を豊かにするほう」を選び直すチャンスはいくらでもあるはずです。
和田裕美