「北欧感」漂う!広々インテリア 薄味な優等生? ポールスター4 シングルモーターへ試乗
軽快感がある後輪駆動 全般的に快適な乗り心地
ガラスルーフは標準。だがリアガラスはなく、後方が不自然に閉ざされた感じで、筆者は少し慣れが必要に思えた。バックミラーはモニター式になり、高解像度で視野角を調整できるとはいえ、光学的な鏡の方が図像はシャープで確認しやすいだろう。 リアの荷室容量は526L。フロントにも、充電ケーブルをしまうにちょうどいい、15Lの収納がある。 今回試乗した4は、ロングレンジのシングルモーター。最高出力は271psと圧倒される数字ではないが、後輪駆動ということもあり、だいぶ軽快感がある。 ステアリングホイールは適度に重く、反応はダイレクト。カーブを積極的に縫っていけ、運転は楽しい。旋回時のバランスも好ましい。 それでも、ボディロールは大きめ。操る不安を覚えるほどではないものの、BMW i4の操縦性には及ばない。体験もやや淡白といえる。 乗り心地は、21インチ・アルミホイールを履いていても、全般的に快適。市街地ではやや揺れが目立つものの、不快なほどではなく、高速域ではしっとりしなやかに転じる。 ツインモーターで、アダプティブダンパーが組まれた4も短時間運転してみたが、過剰なほどにパワフル。積極的な運転にも応える余力があり、アグレッシブで魅力的だと感じるドライバーはいるだろう。 こちらにはパフォーマンス・パッケージが組まれ、ホイールは22インチ。乗り心地は21インチより硬めながら、充分快適と表現できる範囲にあった。
コスパは高い でも明確な強みが欲しいかも
4の装備は充実しており、シングルモーターでもヒートポンプ式の3ゾーン・エアコンに、ヒーター内臓のパワーシート、360度カメラ、アダプティブ・クルーズコントロールなどが備わる。宇宙をイメージさせるアンビエントライトも、共通で付いてくる。 走りは滑らかで、航続距離は長く、スタイリングも個性的。内容を考えるとコストパフォーマンスは高いといえ、優等生な電動クロスオーバーであることは間違いない。 それでも、より優れた運転体験を味わえるモデルはあるし、直接後方を見ることができるモデルもある。より共感を誘うブランドもあるだろう。このクラスのバッテリーEVとして、ニーズはしっかり満たしているが、1つ明確な強みがあっても良さそうだ。 ◯:特徴的なスタイリング 長い航続距離 優れたコストパフォーマンス 広々とした車内 △:全体的な印象が薄い 走行時の洗練性は改善できる 直感的とはいえないインフォテインメント・システム リアウインドウは欲しい
ポールスター4 ロングレンジ・シングルモーター(欧州仕様)のスペック
英国価格:4万9990ポンド(約1224万円) 全長:4840mm 全幅:1950mm 全高:1544mm 最高速度:209km/h 0-100km/h加速:7.1秒 航続距離:619km 電費:4.6km/kWh CO2排出量:- 車両重量:2230kg パワートレイン:永久磁石同期モーター 駆動用バッテリー:94.0kWh(実容量) 急速充電能力:200kW 最高出力:271ps 最大トルク:34.9kg-m ギアボックス:1速リダクション(後輪駆動)
ヴィッキー・パロット(執筆) 中嶋健治(翻訳)