中谷美紀「ドイツ人の夫の言葉は心にグサグサ刺さるときもあるけど、公私ともども、夫の存在には助けられている」
◆川が流れるように、ありのままで 女優の仕事をしていると、「これからどんな役をやりたいか」と聞かれる機会がよくあります。でも、私たちの仕事はあくまで受け身ですから、逆に「これがやりたい」という目標はあえて持たないようにしています。 あらかじめゴールを設定せずに、何事も受け入れると言いますか。これまでも川が流れるように、ありのままでやってきた結果、流れ流れついて今の私があるような気がします。 ひとつ希望としては、何よりアートが好きなので、アートについてお伝えできるお仕事は積極的にさせていただきたいですね。 演ずることもそうですが、私は媒介なんです。「自分が、自分が」と前に出るのではなく、原作者の言葉や演出家の方の思いを伝える媒介――そういう存在でありたいと。 だからこそ、素敵なアーティストと出会ったら、みなさんにその方の活動を伝えたい。そのためにも、若い世代の音楽を聴いたり、若い画家さんの絵を観にギャラリーに通ったりして、若いアーティストの方たちと交流しながら応援していきたい。 そんなことができたなら、きっと幸せなおばあちゃんになれるんじゃないかと思います。 (撮影=伊藤彰紀)
中谷美紀
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