吉野家の「牛丼」って、作るより安いですよね? 牛肉1パック「500円」以上するのでお得だと思うのですが、実際どうなのでしょうか?
最近はインフレが影響して値上げ傾向が続いていますが、それでも「並盛」1杯が500円以下(吉野家では執筆当時、税込498円)で提供される全国チェーン店の牛丼はまさに庶民の味方と言えます。 外食より自炊の方が経済的だとは言われますが、牛肉1パックで500円を超えることが珍しくない今日において、牛丼は外食と自分で手作りする場合、どちらが安くなるのでしょうか。筆者が最近作った「手作り牛丼」のレシピをもとに、実際に計算してみました。 ▼職場のランチ代節約したい!「おにぎり」だけは栄養的にNG? 節約効果も検証
自宅で牛丼を料理すると、どれくらいの費用・時間がかかる?
筆者は最近、近くのスーパーで「国産牛の切り落とし」が半額セールで安く手に入ったため、牛丼を家庭で自作しました。その際に必要だった食材とその税込み価格、レシピはおよそ以下の通りでした。 (材料・10人前) 国産牛切り落とし 800グラム(約1500円) 牛脂 適量 (無料) 玉ねぎ 大1個半 (約120円) くるま麩 半パック(約80円・油揚げでも可) だし昆布 1枚 (約20円) 干しシイタケ 30グラム (約100円) しょうゆ 100cc (約20円) 料理酒 100cc (約20円) みりん 50cc (約15円) 砂糖 40グラム (約10円) 紅ショウガ 1パック(約100円) (筆者流・牛丼レシピ 製作時間・約30分) 1、だし昆布、干しシイタケは適量のぬるま湯で戻しておく。 2、フライパンに牛脂を熱し、脂が出たら牛肉を加えて軽く炒める。 3、くし切りにした玉ねぎを加え、さらに炒める。 4、水で戻した昆布を細長く切り、フライパンに加える。 5、戻した水ごと干しシイタケを加え、調味料もまとめて加え、煮る。 6、全体がしんなりするまで煮たら、輪切りにしたくるま麩を加えて全体を混ぜる。 7、水分が適当な量になったら火を止めて、「アタマ」のでき上がり。 8、別に炊いておいた白米をどんぶりに盛って「アタマ」を乗せ、お好みで紅ショウガを添えて、いただく。 上記のように作成した場合、牛丼の「アタマ」10人前で材料費合計は1985円、1人前あたり198.5円です。それに1人前の白米1合分(精米で150グラム・約30円)の価格を加えると、材料費のみで1人前228.5円(税込み)という結果でした。これに加えて若干の光熱費がかかりますが、およそ250円あれば1人前の牛丼が作れそうです。 筆者は料理が趣味であるため、自分が料理をする時間を「人件費」として考えることはためらわれますが、実際は料理人が牛丼の作成に費やした時間分の人件費も考慮すべきです。 この原価に筆者の人件費(やや多めに「時給3000円」と設定すると、調理時間30分・片付け時間を10分として、10人前作って2000円。1人前あたりだと200円。)を加えていくと、手作り牛丼1杯あたりの価格は「約450円」となります。 それでも、現在のチェーン店で提供される「牛丼並盛」と比べ、1人前あたり50円ほど安くなるという結果になりました。 また、今回ご紹介したレシピでは国産牛を使用し、具材もチェーン店のものより豊富に使用していますので、「チェーン店どおり」のレシピに添い、安価な牛肉を購入できれば、さらに原材料費が削減できそうです。