16歳で引退のアリサ・リウ、競技復帰後の演技に“深み” 坂本花織も歓迎する天才少女の復帰
今季GP第2戦・スケートカナダ(10月25~27日、ハリファックス)でショート2位(総合6位)に入ったリウは、ショート首位の坂本花織と並んで記者会見に臨んだ。2022年世界選手権金メダリストの坂本は、同大会の銅メダリストであるリウの復帰について語っている。 「2022年オリンピック直後の世界選手権で一緒に表彰台に乗って、その後競技から離れるというのを聞いて、正直すごくびっくりしたんですけど……こうやって復帰してくれて、私もすごく嬉しい。ずっといろんなプレッシャーの中で戦ってきて、競技から離れて、それでもやっぱり競技がしたいというのは、本当にスケートが好きだからだと思うので。その気持ちのまま行動に移してくれて、すごく嬉しかったです」(坂本) 恥ずかしそうに、でも嬉しげにコメントの英訳を聞いていたリウは、隣に座る坂本の肘を優しく触って、「ありがとう」というような視線を送った。会見が終わると、リウと坂本は笑顔でうなずき合っている。 今季NHK杯の会場は、スターズ・オン・アイス2022東京公演と同じ、国立代々木競技場第一体育館だった。約2年半前、16歳のリウは、韓国のガールズグループ・ITZYのダンサブルなナンバー『LOCO』を、弾けるような笑顔ではつらつと演じていた。そして19歳になった今のリウは、深みのあるレイヴェイの歌声を表現できる大人のスケーターへと変貌を遂げている。(文・沢田聡子) 沢田聡子/1972年、埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、出版社に勤めながら、97年にライターとして活動を始める。2004年からフリー。フィギュアスケート、アーティスティックスイミング、アイスホッケー等を取材して雑誌やウェブに寄稿している。2022年北京五輪を現地取材。Yahoo!ニュース エキスパート「競技場の片隅から」
沢田聡子