経済的困難抱える子育て世帯、「みんなの冷蔵庫」で支えたい…企業や個人など食料品提供
経済的な困難を抱えた子育て世帯が食料品などを無料で持ち帰れる取り組み「みんなの冷蔵庫ちくま」が長野県千曲市で始まった。食品ロス削減のため欧州で広がる「コミュニティフリッジ(公共冷蔵庫)」の一環。企画する団体は「困っている人が気軽に来られる場所になれば」としている。
公共冷蔵庫は国内では、コロナ禍で困窮する世帯への支援として2020年、岡山市内で導入され、各地に広がっている。
「みんなの冷蔵庫ちくま」は22日、千曲市の更埴ライオンズクラブの事務所の一角に開設された。壁で区切られた約15平方メートルには棚が設けられ、企業や個人などから提供を受けたコメや調味料、カップ麺、菓子類、リンゴなどが並ぶ。
利用できるのは市内在住で18歳未満の子どもがいる家庭で、児童扶養手当や就学援助を受けるなど支援が必要な人。22日は9世帯が訪れ、思い思いに食品を選び、袋に詰め込んでいた。
現在は冷蔵施設はなく、来年度、冷蔵庫を導入する予定だ。当面は月2回、時間帯を限定して開く。将来は年中無休、24時間利用できる態勢を目指すという。
実行委員長の岡田昭雄さん(73)は「笑顔で帰ってもらえるとこっちもうれしくなる」と話していた。