神田前財務官、短期の相場急変動や不確実性に警戒必要と強調
(ブルームバーグ): 神田真人前財務官は10日、最近の金融市場について、短期的な相場の急変動や不確実性に注意し続ける必要があるとの見解を示した。ブルームバーグ東京支局のイベントで英語で講演した。
神田氏は、「投機筋が一方的に円ショート(売り)ポジションを積み上げる傾向は反転した」と述べる一方、金融市場は主要国の経済動向や金融政策の見通しに引き続き極めて敏感で、当局は「緊張感を持って強い警戒を続けていく」と語った。
足元の外国為替市場では、米国の利下げペースが鈍化するとの観測などからドル買い・円売りの流れが続いている。10日の東京市場は一時1ドル=149円55銭と、8月上旬以来の円安水準となった。心理的節目となる150円台が視野に入る中、財務官在任中に過去大規模の円買い介入を指揮した神田氏の発言は、通貨当局の動向を探る手掛かりとなりそうだ。
神田氏は、日本の輸入の大半が円建てではないため、円の急激な変動は輸入価格に大きく影響し、家計や企業に直接マイナスの影響が及ぶとも指摘した。
自ら指揮した為替介入については、積極的な投機筋の動きによる為替相場の過度な変動を容認することはできず、「介入せざるを得なかった」と振り返った。神田氏は、現在は内閣官房参与を務めている。
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Keiko Ujikane, Erica Yokoyama