ごまかし・うそ・ずるが気になる小学生。どう注意すれば?【専門家監修】
【子どもは同じ失敗を繰り返すものと受け入れる心を持とう】 子どもは同じ失敗を繰り返すものです。 何十回も何百回も繰り返すものなのです。 頭でわかっていても、そうそう簡単には自分を変えられないのです。 大人でもそうですが、子どもはなおさらそうなのです。 苦手なことを直すには、強烈なモチベーションと強固な意志と方法を工夫する能力が必要です。 どれもこれも、子どもにはないものばかりです。 そういう子どもが失敗や間違いをしたときに、きつく叱りつけたり怒鳴りつけたりしてはいけないのです。 それだと、子どもは自分を守るために「ごまかし・うそ・ずる」を身に付けるほかないのです。 毎日の生活のなかで受容と共感を心がけてください。 そうすれば、子どもは安らかな気持ちで安心して生活することができます。 そうすれば、「ごまかし・うそ・ずる」を身に付ける必要はないのです。 何でも正直に言えるようになります。 そして、正直に言えたときには、ぜひそのことをほめてやってください。 【「今のうちに直そう」と思いすぎなければ、子どもを許せるようになる】 「『今のうちにきちんと直しておかないと高学年になった時に大変です』ということでした。確かに言い訳やごまかしが私も気になっていましたので、どのように注意をしていいものか悩んでおります。頭ごなしに注意しても逆効果のように思えて……。」という相談内容については、「今のうちにきちんと直そう。高学年になったときに大変だから」という気持ちは、わかります。 親なら、当然みんなそう思います。 そう思わない親がいるでしょうか? でも、気持ちはわかりますが、あまり「今のうちに」とか「直そう」などと思いすぎないほうがいいというのも事実です。 そういう思いが強いと、どうしても子どもの行いを許せなくなってしまうからです。
【保護者が変わっていけば、子どもも変われると心得て】 私が言ってきたことを心がけていれば、必ずいい方向にいきます。 でも、すぐにそうなると思いすぎないほうが安全です。 まだ、何回も同じことを繰り返すことはあると思っているほうが安全です。 それは必ずあります。 そのとき、親がどうするかです。 そこで、親が基本的に大事なことを守って対応できるかどうかです。 1回や2回でなく、何回でもそれができるかです。 1、2回やってあとは元どおりというのでは、子どもも変われないのです。 親が変わって、基本的に大事なことを守りとおせば、子どもも変われるのです。 【保護者に求められるのは、注意ではなく対応】 「どのように注意をしていいものか悩んでおります。」ということですが、 大切なのは、「どのように注意するか」ではないと思います。 大切なのは、「どのように対応するか」ということだと思います。 「頭ごなしに注意しても逆効果のように思えて……。」という言葉については、 そのとおりです。 もう十分実験済みだと思います。 まさに北風と太陽のお話のとおりです。 【決意と忍耐があれば、習慣は変えられる】 「おひさま」というハンドルネームはすばらしいと思います。 おひさまさんも、本当はもう進むべき道が見えているのでしょう。 でも、なかなかそちらに進めないのです。 大人も子どももなかなか変われないのです。 習慣という慣性の法則は強力ですから。 ぜひ、今までの自分の習慣を打ち破り、ほんの少し自分を変えてみてください。 もう進むべき道は明らかです。 あとは決意と忍耐です。 私の書いたものが、おひさまさんの背中の一押しになればうれしいです。 私ができる範囲で、精いっぱい提案させていただきました。 少しでもご参考になれば幸いです。 おひさまさん親子に幸多かれとお祈り申し上げます。
プロフィール 親野智可等 おやのちから 教育評論家 ・『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』(ダイヤモンド社) ・『反抗期まるごと解決BOOK』(日東書院本社) 長年の教師経験をもとに勉強法・家庭教育・親子関係などについて具体的に提案。 Instagram、Threads、X、YouTube「親力チャンネル」、Blog「親力講座」、メルマガなどで発信中。ドラゴン桜の指南役としても著名。最新刊『子育て365日』などベストセラー多数。全国各地の教育講演会でも大人気。詳細は「親力」で検索