「母子共に無事」は当たり前ではない。産科ナースが描く出産のリアルとは? 命に向き合い奮闘する姿が心に響く、看護師・医師のお仕事漫画5選【書評】
研修医・ポチは、離島唯一の医療機関である診療所で研修医生活を送る。近隣住民がお裾分けを持ち寄って診療所を訪れるほどに、患者個人との繋がりが密接で温かな環境だ。だが、高齢化や医療資源・医師の不足などの問題も山積みだ。時に専門外となる症状の診断・診療を行い、訪問診療では限られた道具で適切な治療を施し、深夜や早朝でも駆け込んでくる患者に対応する。柔軟な判断と医師としての責任が常に求められる緊張感、そして達成感は、離島医療ならではの体験といえるだろう。 医療従事者だけでなく一般の読者にとっても、医療の本質や地域社会の在り方を改めて考えさせられる1冊だ。ぜひ本書を通じて、地域医療の現実と可能性に触れてみてほしい。
じたばたナース 4年目看護師の奮闘日記
仕事に疲れて重くなった心を軽くしてくれる、お仕事漫画を紹介する。『じたばたナース 4年目看護師の奮闘日記』は、アラサー看護師が仕事や婚活に奮闘する姿を赤裸々に描いている。
看護師4年目の秋野海は、未だ日々の業務に手一杯で時にミスをしたり、同期で優秀な男性看護師・白鳥と自分を比べて落ち込んだりすることも。そんな海が新人指導係を任されることになり、今どきギャルの新人・藤崎とのやり取りを通じて成長していく物語だ。藤崎への戸惑い、不安と奮闘の日々、そして患者や同僚との人間関係は、看護師でなくとも共感できる部分が多い。 また医療現場のリアルな一面や、幼少期に主人公の海が看護師に救われた経験を思い出す場面も描かれる。看護師はハードな仕事だが、多くの人の心を支え感謝される仕事だということがわかる。仕事が辛い時、本書で海の日常を覗いてみると良い。笑いと涙が詰まった物語に元気をもらい、もう少し頑張ってみようと背中を押してもらえるはずだ。 医療現場のリアルを描いた、看護師・医師のお仕事コミック。笑いあり涙ありの人間ドラマをぜひ堪能してほしい。 文=ネゴト / fumi