「母子共に無事」は当たり前ではない。産科ナースが描く出産のリアルとは? 命に向き合い奮闘する姿が心に響く、看護師・医師のお仕事漫画5選【書評】
外科医を目指す研修医1年生・若月まどかは、明るく負けん気が強い性格。本作は、まどかが研修期間中に直面する課題や成長をコメディタッチで描いている。点滴が上手くできなかったり、緊急時に心臓マッサージを施したりと、日常は挑戦の連続だ。未経験の壁にぶつかりながらも奮闘する姿は、多くの者に自分も頑張ろうと思わせる力を持つ。また各科の個性豊かな先輩医師たちとの、ユーモラスな関わりも見どころのひとつだ。 医師の世界を舞台にした本作だが、男社会の中で働く女性が抱える問題や、仕事とプライベートの両立の難しさなど誰もが共感できることばかり。「あるある」と頷きながら読むうちに、日々の自分の仕事にも励みが湧いてくる。職場や立場・性別問わず、多くの人に手に取ってほしい1冊だ。
腐女医の医者道! これが私のニューノーマル編
医師の裏側をオタク目線で描きながら、働く女性のリアルな姿を追った「腐女医の医者道!」シリーズ第4作目となる『腐女医の医者道! これが私のニューノーマル編』。医師であり母でありオタクでもある作者が、コロナ禍の医療現場や家庭、趣味についてユーモラスに綴っている。新しい時代を生き抜くヒントが詰まった本作は、仕事や育児に奮闘するすべての人にとって、希望の灯となるだろう。
本作ではコロナ禍における医療従事者としての苦悩はもちろん、リモート学習や臨時休園といった予期せぬ事態が相次ぎ、親としての対応にも追われる様子も描かれる。一方オンライン即売会の普及など、オタク文化は柔軟に時代に適応していく。外出制限により同人誌即売会が開催されない中、デジタル化が生んだ新たな可能性をポジティブに描写している。 本作は「不要不急」の趣味や楽しみの重要性を再確認させる1冊でもある。多忙な日常の中で自分の幸せとも向き合う大切さを伝え、働く母親や多くの読者にエールを送る。作者のパワフルな姿は、読者の背中を押してくれるはずだ。
離島で研修医やってきました。 お医者さん修行中コミックエッセイ
『離島で研修医やってきました。 お医者さん修行中コミックエッセイ』は、離島の医療現場を体験した研修医の奮闘を描いた作品だ。こちらも2025年1月14日から放送されるテレビドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』の原作の1つ。地域医療の特異な現場をユーモアを交えながら描き、医師が直面する課題や責任感をリアルに伝えている。