外食は年間600回以上! マッキー牧元の発掘!地方の名店~福井編~
刺身を楽しんだ後は、この店の名物「てんちき」をいってみよう。若鶏の半身を揚げたものである。3つにぶつ切りにされたそれにかじりつく。うむ。この肉を食らう感じがいい。唇と舌にあふれる肉汁がたまらない。
続いて頼んだ「太刀魚の塩焼き」や「タコの唐揚げ」も素晴らしく、独自の工夫がある「ポテトサラダ」や「ハムカツ」も上等である。
しかし福井に来たからには食べなくてはいけないものがある。「にしん寿司」と「小鯛の笹漬け」という郷土料理だ。 北前船が盛んだった江戸時代に、寄港地であった三国、河野、敦賀地方へ伝わった料理だという。
北前船が盛んだった江戸時代に、寄港地であった三国、河野、敦賀地方へ伝わった料理だという。
北海道から運ばれた身欠きにしんを、塩漬けにした大根と、水(米の研ぎ汁)に一晩漬けて柔らかくする。それを洗って切り、大根と人参などを麹と調味料とともに漬け込んだ「いずし」や「なれずし」の一種である。乳酸発酵した、柔らかい酸味とともにしなやかになったニシンを味わう。 燗酒が恋しくなる肴である。
続いての「小鯛の笹寿司」は土産でも売られ、全国のデパートでも見かけることのある郷土料理である。しかし売られているそれとはまったく違った。連子鯛を塩〆にし、甘酢に漬けたものだという。 市販のそれは〆が強く、味が抜けているが、これには優しい甘みがあってエレガントである。それは「小鯛の笹寿司」を食べるためにここに来たと言い切ってもいいほどの味わいであった。
創作居酒屋てんてん
住所 : 福井県敦賀市本町1-9-16 TEL : 0770-21-4151
福井の名物おろしそばには、2パターンの食べ方があって、そばつゆに大根おろしを入れてそばにつける食べ方と、大根おろしのつゆをそばにぶっかける食べ方である。 こちらは後者で、まず鰹節とネギを上にのせたそばが皿に盛られ、運ばれてくる。 次になみなみと大鉢に張られたそばつゆが運ばれる。大根おろしが入れられ、よく混ぜられたつゆである。