ジョコビッチが急転全豪OP出場可能もナダル、ナブラチロワらは批判「出場しない方がよかった」「ワクチン接種を願う」
テニス界からも様々な反応があり、英ガーディアン紙によると、全豪オープンでジョコビッチと優勝を争うラファエル・ナダル(スペイン)は、スペインのラジオ局に出演し「(今回の入国拒否→逆転入国OKは)まるでサーカスだ」とした上で「ジョコビッチといくつかの点で同意できるかどうかは別としても、彼が全豪オープンに出場する権利を得る判決が示され、問題が解決されるのであれば公正な判決だったと思う。彼の幸運を願う」と語った。 ただ「個人的には彼はむしろ(全豪で)プレーをしない方がよかった」と冗談半分に付け加え、「これはスポーツで、一般のファン、経済的なもの、広告のレベルと多くの興味が周りで動いている。最高の選手がプレーできればすべてがよりうまくいく。(だが)この世界で最も大切なことは、ワクチンがパンデミックや我々が20カ月間過ごしてきた災難を止める方法だということだ」と問題提起した。 またメジャー大会59勝の記録を持つマルティナ・ナブラチロワ氏は、番組『Good Morning Britain』で、「すべての出来事が『分刻みでおかしな状況』となっており、ジョコビッチは自身が持つ野心よりも他人の健康を優先すべきだ」と、判決に否定的な意見を述べた。 ナブラチロワ氏は、「信じられない。何という出来事だろう。避けることはできたかもしれない。ノバクが最初からワクチン接種をしていればよかった。彼のことはとても敬服しているが、ワクチン接種をしないという選択の肩を持つことはできない。チームのために接種をしなければならない。分刻みでおかしな状況となっている。ロッカールームでは本当に密となる」と主張。 「私はワクチン接種で起こるかもしれない副反応よりもワクチン接種しないことで病にかかる方がもっと怖い。他の人々のことをもっと自覚する必要がある」とジョコビッチの姿勢に苦言を呈している。 一方で豪州放送協会(ABC)によると、判決後にジョコビッチの家族がベオグラードで会見に臨み、抗議活動を行ってくれたファンと、今回入国許可の判決を下したアンソニー・ケリー判事を賞賛、感謝すると共に父親は「息子の人権が剥奪された」と主張。母親も「“拷問“を受けた」と語るなど、最初に入国拒否の措置を取った豪州政府を強く非難した。ただ昨年12月のイベントで、新型コロナの陽性反応発覚後に、マスクも着用せずに子供たちと一緒に写真撮影を行っていたことに質問が及ぶと、答えをはぐらか、弟のジョルジェは「すべては公になっている。これで記者会見を終わります」と語り会見を終了させたという。 豪州の大臣の判断、そして、昨年12月の問題行動など、ジョコビッチが全豪オープンのコートに立つまで、まだ紆余曲折がありそうだ。