Pace東京がプレビューを開催。CEOマーク・グリムシャーに聞く、東京・麻布台の新スペースやチームラボへの評価、日本のアート市場活性化のための鍵とは
麻布台ヒルズ ギャラリーとのコラボレーション
──麻布台ヒルズ ギャラリーでの展覧会「カルダー:そよぐ、感じる、日本」は、ペースが共催ですね。今後もこのように、このギャラリースペース以外のベニューと協力し展示やプロジェクトを積極的にやっていく予定はありますか。 今回のコラボレーションは森ビルと森美術館館長の片岡真実さんからの働きかけがきっかけとなりました。アレクサンダー・カルダー展のコンセプトが固まってきたとき、ペース・ギャラリーで開催するには規模が大きすぎると感じました。そこで、フレキシブルに使える麻布台ヒルズ ギャラリーにリーチしました。美術館レベルの展覧会を開催できるスペースが近くにあるのはとてもラッキーですし、これからもコラボレーションを通して、麻布台ヒルズのダイナミックなアートプログラムを作っていきたいと思っています。 ──トーマス・ヘザウィックが、ペース・ギャラリーが入居する建築全体の建築を担当していますが、ペースギャラリーとしてはどの段階から建築に関わり、どんなリクエストやオーダーをしてきたのでしょうか。内装について重視したこと、建築家・藤本壮介さんから提案された印象的なアイデアにはどのようなものがありますか。 森ビル株式会社から誘いを受けた時点で麻布台ヒルズがすでに建設中でした。トーマス・ヘザーウィックはあらゆるルールを破る素晴らしいデザイナーです。私の友人でもあり、別のプロジェクトで一緒に働いていた際に、彼が「1から10のことは忘れろ。いま通用するのは11以上だ」と言ってくれたのを覚えています。今回のデザインも例外ではないですね。 新しいスペースを見たあと、すぐに大好きな建築家のひとりでもある藤本壮介さんに電話をかけました。この空間をアートギャラリーに変身させるために必要なことを一緒に考えた結果、日本で新しいプロジェクトをスタートさせるのに相応しく、信じられないほど美しいスペースができ上がりました。