【有馬記念】武豊&友道康夫調教師は共にドウデュースの内枠を必ずしも歓迎せず その理由を読み解く
[GⅠ有馬記念=2024年12月22日(日曜)3歳上、中山競馬場・芝内2500メートル] 第69回有馬記念の枠順が19日に確定した。天皇賞・秋とジャパンCを連勝し、ファン投票で歴代最多票数を獲得したドウデュース(牡5・友道)は武豊とのコンビで1枠2番からラストランに臨む。 中山芝2500メートルは「内枠有利」が定説。外枠はスタート直後のカーブで外に振られやすく、現実に16番枠は過去68回、一頭も勝ち馬が出ていない。14、15番枠も2000年以降は勝ち馬ゼロ。ドウデュースの内枠、しかも偶数枠は歓迎材料しかない…と普通は考えられる。 しかし、枠順抽選会で1枠2番が決まった直後に友道調教師は「正直、もうちょっと外のほうがよかった」とつぶやき、名古屋競馬場で騎乗後に取材対応した武豊も「あんまり内ではないほうがいいと思っていた」と感想を口にした。昨年の抽選会では、3枠5番を引き当てた友道師が「ジョッキーも満足してくれると思います」とコメントしているにもかかわらず…だ。極端ではないにしろ内めの枠であることに変わりはない。この違いの理由はいったいどこにあるのか? 根拠として考えられるのは、スロー必至と予想される展開だ。昨年はタイトルホルダーという、確かなペースで引っ張る存在があった。しかし、今年は明確な逃げ馬がいない。馬群が団子状態で追走する形になる…と仮定すると、労せずしてポジションを確保できる内めの枠がプラスにならない可能性がある。自然と中団につけられる反面、包まれて身動きが取れず、伸び伸びと走れる外に持ち出せないリスクがあるためだ。 今回の出走馬について国内のすべての競馬を振り返っても、スタートから4コーナーまで逃げた実績があるのはスタニングローズの大阪杯1度きり。昨年、大外枠から2番手につけたスターズオンアースにしても、逃げたことはない。積極策をにおわせている陣営はなく、ペースが上がるとは考えにくいグランプリ。果たしてドウデュースの内枠は吉と出るか凶と出るか…。あとは「与えられた枠で乗るだけ」と覚悟を決めたレジェンド武豊の手綱さばきに託される。