投資のために買っていた「金」が高騰してかなりもうかりました。夫の扶養から外れることになりますか?
合計所得金額に注意する
「夫の扶養から外れる」かどうかを判断するためには、少なくとも以下の点を確認する必要があります。 ●被扶養者の要件:年間収入が130万円未満かどうか ●控除対象配偶者の要件:年間の合計所得金額が48万円以下かどうか ここでいう「年間収入」とは、被扶養者に該当する時点および認定された日以降の年間の見込み収入額のことをいい、一時的な収入については考慮しないというのが一般的です。つまり、「金」を売却したことで、直ちに被扶養者でなくなるということはないといえます。 一方、「合計所得金額」には注意が必要です。合計所得金額とは、総合課税の対象となる所得を合算した金額です。給料や賞与は給与所得、「金」を売却して得た利益は譲渡所得であり、いずれも総合課税の対象です。 給与所得の金額は、以下のように計算します。 ・給与所得の金額 = 収入金額(源泉徴収される前の金額)- 給与所得控除額 譲渡所得の金額は、以下のように計算します。 ・譲渡所得の金額 = 譲渡価額 -(取得費 + 譲渡費用)-特別控除額(最高50万円) なお、譲渡所得は所有期間により「短期譲渡所得(所有期間5年以内)」と「長期譲渡所得(所有期間5年超)」に分けられます。短期譲渡所得の場合、譲渡所得の金額は、上記の計算式により算出した金額の全額が、総合課税の対象になります。一方、長期譲渡所得の場合、上記の計算式により算出した金額の2分の1が、総合課税の対象になります。 譲渡所得の計算式からいえることは、それが短期譲渡所得であれ長期譲渡所得であれ、特別控除額(最高50万円)の範囲であれば、「金」を売って利益を得たとしても、譲渡所得の金額は「0円」になり、特に影響がないということです。言い換えれば、その利益が50万円を超えたとき、その超えた部分について影響があるということです。 このように計算したうえで、給与所得金額と譲渡所得金額の合計額が48万円以下であれば、控除対象配偶者の要件を満たしているといえます。