「みどりの窓口」削減に「青春18きっぷ」改悪も…2024年に注目された「鉄道」ニュースを総ざらい
現場のJR東日本社員はどう感じているか
今年ほど、鉄道に関する様々な問題がネットニュースを騒がせた1年はないかもしれない。その多くに共通するのが「鉄道の利便性が低下した」というものである。例えば、北陸新幹線の金沢~敦賀駅間の延伸で便利になる……と思いきや、敦賀駅で乗り換えが発生してしまい、関西から北陸を旅行する際にはむしろ不便になってしまった。 【写真】「あまりにも少なすぎる!」批判の声を受けて臨時で復活した「みどりの窓口」の様子
みどりの窓口の相次ぐ削減問題、乗継割引の廃止、そして、最大の騒動になった青春18きっぷのシステムの改悪――。さらに、路線の廃止も今後は本格的に進みそうで、いずれも利用者にとってありがたいものとは言い難い。鉄道の利便性の低下に関して、利用者のクレームを受け続けているのが、現場で働いている鉄道会社の社員である。 今回は、デイリー新潮のインタビューに何度か応じてもらっている現役のJRグループの駅員A氏に、今年の鉄道業界に起こった様々な出来事、特にコストカット政策と青春18きっぷ改悪問題について振り返ってもらった。
コストカットに関する苦情は毎日言われる
――今年になって、JR各社が打ち出した様々なコストカット策が話題になりました。 A:そもそも「鉄道じゃ儲からない、他の分野で稼ごう!」と、何年も前から上司は言い続けていましたから、それが見える形になっただけではないか……と私自身は寂しさを感じつつも、冷静に受け止めています。もうJR各社は国営ではない一企業ですからね。コストカットをして利益追求をするのは、当たり前なのかもしれません。 ――こういったコストカットについて、社員はどんな反応を示していますか。 A:組合に加わっている人や昔気質の社員からは、「何でもかんでも無くしていいのか! サービス低下に繋がるぞ!」という反応も少なくありません。しかし、組合が瓦解してから入ってきた若い世代は「あ~、そんなものかな?」といった感じで、特に気にしてない印象を受けますね。 ――コストカットの煽りを、社員が受けている面はあるんですか。 A:もちろん受けています。これまでタダで貰えていたものやサービスがなくなったことに関する苦情は、ほぼ毎日のように言われますね。例えば、窓口で配布されていた時刻表や切符入れ、待合室からテレビが無くなったことへの苦情は多いです。ただ、コストカットによって影響が大きいのは、スマホを持たない老人や、切符の電子化についていけない人なので世代間によって反応が異なるのは事実ですね。