日韓国宝二体の半跏思惟像が対面 国交正常化50周年記念特別展を開催
左足を踏み下げ、右足をその膝の上に組んで座り、右手を頬に添えて思案にふける仏像を「半跏思惟像(はんかしゆいぞう)」いう。このような像は今から2000年前にインドに発祥し、中国、韓国そして日本に伝わった。 特別展「ほほえみの御仏(みほとけ)ー二つの半跏思惟像ー」では、日本国宝(奈良 中宮寺門跡 飛鳥時代・7世紀)と韓国国宝78号(韓国国立中央博物館 三国時代・6世紀)を展示。ゆったりとした空間に仏像二体が静かに向かい合い思惟する姿を360度から鑑賞できる。 昨年、日韓国交正常化50周年を経て、両国のさらなる友好関係構築のために企画され、日本でこの二体がともに展示されるのは初めて。
日本での仏像製作が始まったのは7世紀の初め。この作品は7世紀後半にクスノキから作られた。奈良の中宮寺門跡<飛鳥時代に建立された聖徳太子ゆかりの古刹(こさつ)>では、聖徳太子の母君、穴穂部間人(あなほべのはしひと)皇后の御姿を刻まれたと言い伝えられている。柔らかな微笑を浮かべ、ゆったり座す姿はこの上なく清楚で上品だ。
韓国国宝78号 半跏思惟像
この像は6世紀後半に朝鮮半島三国時代の影響を強く受けて製作された作品。銅でつくられた全長83センチの大作だ。金銅仏ならでは鋭利な表現が見られる一方、ふっくらとした頬と口元にうっすらとした笑みを浮かべる愛らしくも美しい作品。ソウル市内の韓国国立中央博物館に収蔵、展示されている。 【開催期間】6月21日~7月10日 会期中無休 【開館時間】午前9時30分~午後8時 ※入館は閉館の30分前まで 【観覧料金】一般1000円、大学生700円、高校生400円 ※中学生以下は無料、障がい者とその介護者1名は無料(入館の際に障がい者手帳などを要提示)、詳細は公式サイトにて。