なぜ女子だけ?高梨沙羅ら4か国5人がスーツ規定違反の大混乱…ノルウェー選手「通常の測定方法ではなかった」と訴え、ドイツ監督は「クレイジー!」と激怒
結局、スロベニアが金メダル、ノルウェーと2位争いをしていたROCが銀メダルで3位がカナダ。日本は高梨が涙をこらえて決勝では意地の98.50mを飛び、ノーマルヒル金メダリストの小林が奇跡のメダル獲得をかけて106mの大ジャンプを見せてカナダを追いかけたが、4位に終わった。 高梨はコメントを発せず、日本チームは一切、不満を口にしなかったが、五輪という大舞台で、計5人が失格となり、しかも、そのすべてが女子選手だという異常事態に「クレイジーだ!」と怒りを爆発させたのが、ドイツのシュテファン・ホルンガッハー監督だ。 欧州をカバーしているスポーツ専門チャンネル「ユーロスポーツ」によるとジャンパーとしても五輪に3大会連続出場しているホルンガッハー監督は「まったくクレイジーだ。(予選で)3人の女子が失格になってしまった。その女子選手は、いつもワールドカップで優勝している選手たちだ。我々には何の説明もなかった。彼女(アルトハウス)は個人戦で同じスーツを着てジャンプしたのだ。そして何の説明も受けていない。ありえない」とまくしたてたという。 またドイツのチームマネージャーのホルスト・ヒュッテル氏は、ドイツのテレビ局「ZDF」の取材に対して「以前とは違う検査の手順が使用されたかのように思える。もしそうなら、プロセス全体に疑問を持たなければならない。男性を一人も抜き打ち検査していないのだ」と、検査方法に疑問を呈した。 ヒュッテル氏は、今回の問題に関して日本とオーストリアと緊急協議したことも明かしている。 また当事者のアルトハウスもインスタグラムにて「私は11年間、失格になったことなどない。言葉を失う」と悲しみを伝え、1回目に101mを飛んだ同僚のコンスタンティン・シュミットもインスタグラムにて「この悔しさは計り知れないもので、私の一日は台無しになった。私たちのチーム全体が非常に高いレベルのジャンプをしていたし、私も自分のジャンプにとても満足していた。ワールドカップのシーズン中、ほとんどの女子選手のスーツが完璧にフィットしていたのに多くのチームで失格者が続出していることが本当に理解できない。私は人生をかけてトレーニングしたのに、経験を奪われたと感じているし、同じ状況の他の15人のアスリートもそうだと思う。このような経験は絶対にしたくなかったし、できれば二度としたくない」と怒りのメッセージを残した。 またノルウェーの「VG」紙によると失格となったオプセトは、「審判員がスキージャンプのスーツを測定する際、通常の手順に従っていなかった」という問題点を指摘したという。 「何と言っていいのかわからない。彼らはまったく違う方法で新しい手順で(スーツを)計測した。今までとは違う立ち方をするように言われた」 同じくストロムも、「検査が通常とは違う手法だった」と不満を訴えている。