退陣表明後に手のひら返し?「岸田政権、実は良かった」の声...リーダーに求められる“見せ方”とは
自民党・デジタル社会推進本部事務総長の小林史明衆議院議員は「すごい人柄が良くて、仕事もしっかりやる方だ。しかし、安積さんのご指摘で言うと、正直で、純粋な方なので、したたかな進め方をできる方ではなかった。安倍政権には、いろいろな工夫があった。政権としてやりたいことは、あえて自民党側、公明党側から提案が出てくるようなプロセス。急に政府が決めた形にならない工夫がとてもあった。そういうことができなかったのは、私も含めて努力不足だったと思う」と振り返る。
■ブランディングを作り上げる人がいれば、評価されたのか
岸田総理は、国民から喜ばれるはずの定額減税などをしても批判の対象になったり、派閥解消なども評価されないなど、根回し不足などが原因で見せ方についてもったいない部分があったのではと安積氏は指摘する。
ギャルタレントのあおちゃんぺは「岸田さんは周りの人に恵まれなかったのではないか。私は岸田政権の仕事ぶりを評価できるほどの情報を持っていないが、みなさんの意見を聞いていると、ブランディング出来る人を近くに置いておくべきだったのではと感じる。菅政権の時も"安倍に菅あり、菅に菅なし"と言われていたが、その現象が岸田さんにも起きていて、近くに優秀なブランディングが出来る方がいれば、もう少し見せ方に工夫が出来て、評価されたのかなと思う」と述べる。 これに対し小林氏は「政治全般的に思うが、安倍総理は相当そこにこだわってらっしゃった。常に、周辺のスタッフの方々が意識をされる状況があった。だが、基本的に政治の世界、行政の世界もマーケティングやプロモーション、ブランディング専門の方を人材として配置している状況にない。なので、そこが国民にどんなに良い政策を作っても国民に届かないのが根本的な問題だ」と答えた。
退任発表前のメディアでは「衝撃・史上最低の支持率! 」「政権交代待望論が噴出 」「政権は崖っぷち“増税クソメガネ”の印象払拭できず」 など言われていたが、退任発表後は「経済大転換 安倍総理もできなかったことを達成」 「政権が出した外交的成果 岸田総理の手腕」 などと評価している。 安積氏は「私は“増税メガネ”というワードは、Xなどのハッシュタグで結構見た。Xで総理が発信されても、多分長い文章だったら読まれないんじゃないかと。それが一つのワードでハッシュタグで拡散すると、年代を問わず、若い人たちにも伝わっていく。そういう意味ではPRというやり方があったんじゃないかなと思う」と指摘。 小林氏は「早くからある種の"レッテル"が貼られてしまった。岸田さんを批判した方がビュー数が伸びる、みたいな状況になってしまった。実は岸田さんを評価してる人もX上やSNS上で評価しづらいという状況があった」。その上で、「政治側は、むしろ若年層の人たちに政治の情報を届けたいし、今まさに賃金を上げて、リスキリングをして、さらに自分たちのキャリアを自ら築こうというところを届けたい。だけど、届けきれなかった。それはもう努力不足だということだ」と主張する。