シュプリーム の栄光と挫折。ブランドにおける希少性と企業成長は相反してしまうのか?
新しいものが必ずしもよいとは限らない
今、多くのアイテムが「シュプリーム化」している。ストックXでは、ファンはシュプリームxヘインズ(Hanes)の下着、シュプリーム版たまごっち、シュプリームの折りたたみテーブル、シュプリームのICEEマシンを買うことができる。eBayでは、シュプリームの靴下やシュプリーム x ザ・ノース・フェイスのトートバッグが販売されている。エシロールルックスオティカは、メタ(Meta)と提携してシュプリームのスマートグラスを計画していると報じられている。このニュースにはレディットで不満の声が上がった。あるユーザーは「熱狂してた気持ちが2019年に冷めて本当によかった」とスレッドに書き込んだ。「もうこういうのは耐えられない」と書いた人もいた。 一部のシュプリームファンが掲示板で語っているように、新しいものが必ずしもよいとは限らない。実際、eBayが米モダンリテールに語ったところによれば、シュプリームが独立していた頃の商品を探すユーザーが増加しているという。eBayでは2023年2月から2024年2月にかけて、1990年代と2000年代のシュプリームコレクションの検索数がそれぞれ100%と85%急増している。 すべてのシュプリーム製品が10年前のように高いプレミア価格で転売されているわけではない。シュプリームの定番商品であるボックスロゴのTシャツは、8月1日の時点でストックXに139ドル(約2万円)で出品されている。MM6メゾンマルジェラ(MM6 Maison Margiela)とのコラボレーションであるそのシャツは、ことし3月に発売された当時は小売価格が88ドル(約1万2800円)だった。対照的に、シュプリームのスワロフスキー(Swarovski)のパーカーは、2019年に発売された翌日に1500ドル(約21万7700円)で転売市場に出た。当初の小売価格は398ドル(約5万7800円)だった。