「喘息発作」が起きたときの応急処置はご存じですか? 対処法や日常生活での注意点も医師が解説!
以前と比べて亡くなる人は減少したとはいえ、つらい症状であることに変わりのない「喘息」。近年では、大人になって初めて喘息を発症する人も増えているそうです。喘息発作が起きたとき、一体どのように応急処置をすればいいのかなどについて、「とだ小林医院」の小林先生に教えていただきました。 【イラスト解説】咳が止まらない原因5選 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
喘息発作とは?
編集部: 喘息発作とは、どのようなものですか? 小林先生: 喘息に伴い、呼吸困難や咳、喘鳴(ゼーゼーという呼吸)などの症状が発作的に出現することを指します。 編集部: 喘息発作は、どのようなときに起きやすいのですか? 小林先生: 喘息の人の気道は刺激に対して、普段から非常に敏感になっています。そのため、ちょっとした刺激でも発作を起こしやすくなります。例えば、ダニ、ハウスダスト、ペットの毛やフケ、花粉、真菌など、アレルギー症状を引き起こすアレルゲンも喘息発作の誘因となりますし、タバコや汚れた空気なども誘因になります。 編集部: 様々なことが誘因になるのですね。 小林先生: 風邪を引いたり、感染症に罹患したりしたときにも気道が刺激され、喘息発作を起こしやすくなります。そのほか、天気や気圧の変化、ストレスや過労などの生活習慣も誘因となります。加えて、排気ガスや光化学スモッグなどの汚染された空気、解熱剤や鎮痛剤などの薬、運動も誘因になり得ます。 編集部: 喘息が起こりやすい時間帯など、特徴はあるのですか? 小林先生: 一般的に、喘息発作は夜間から早朝にかけて生じやすく、安静にしていることで自然に改善する場合もあります。しかし、なかには治療を必要とするものもあり、適切に対処することが重要です。
喘息発作が起きたときの応急処置とは?
編集部: 喘息発作が起きたときには、どのように対処すればいいのでしょうか? 小林先生: 発作が起きたら、まずは医師から処方されている発作治療薬を使用しましょう。よく用いられる発作治療薬は、短時間作用性β2刺激薬です。これは即効性があり、気管支を広げることで呼吸を楽にしてくれます。 編集部: それでも改善しない場合、どうしたらいいのでしょうか? 小林先生: 発作治療薬を使っても症状が治らない場合や苦しくて横になることができない場合には、普段から治療を受けている、かかりつけ医に相談しましょう。 編集部: 発作の重症度にも様々な種類があるのですか? 小林先生: はい。喘息の発作は小発作から呼吸不全まで4段階に分類されます。小発作であれば、軽い喘鳴と陥没呼吸がみられる程度で済みます。治療薬を使用して横になって安静にしましょう。陥没呼吸とは息を吸い込むとき、胸の一部が陥没する状態の呼吸のことを言います。 編集部: 重症度が高くなるとどうなるのでしょうか? 小林先生: 中発作になると、苦しくて横になれない場合もあります。治療薬を使用し、改善が見られない場合には20~30分後に再度吸入し、それでも改善しない場合には早めに医療機関を受診しましょう。大発作になると苦しくて動けなくなるため、治療薬を使用しながら周囲の人に手伝ってもらい、できるだけ早く救急外来を受診する、もしくは救急車を呼びましょう。 編集部: 最も重症度が高い場合は? 小林先生: 大発作よりも重症度が高い場合には呼吸が減弱し、「チアノーゼ」という血液中の酸素濃度が低下して唇や指先が青白くなる状態になります。命の危険もあるため、速やかに救急車を呼びましょう。